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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第96回 ボトムズ(後編)
「SWITCHの頭に込めた大きな秘密」

前編はこちら→「ブルマ作品の複雑なルール」

監督

29歳で人生の転機を迎えたボトムズ監督。AV業界に身を投じる決断の後押しをしてくれたのは、同棲中のカノジョだった。 以来、ディープスとヒビノで多くの実績を積み上げてきたボトムズ監督の女性観と仕事観を聞いた。まずはAD時代の過酷なエピソードから。

──カジー風間監督の現場の準備は大変とのこと。徹夜明けでこれから寝たいという時間から仕事が始まるのはキツイですね。

「もうフラフラの状態で始まるんです。撮影終わるのがだいたい(翌朝)3時か4時で、そこから『送り』もあるんです」

──女優を家まで送るんですね。

「はい。当時、『女子●生限定30人 マン淫バス!』というシリーズがあって、女の子が30人来るわけですよ。そんなときは何班かに分けてみんなで送って。終わったらすっかりもう朝です」

──ディープスは大人数の企画物が多いから、この当時からうんと鍛えられたんですね。

「そうですね。この世界に入って一番驚いたのが、全部1日で撮影するということでしたね。何日かに分けて撮るものだと思っていたので」

──2005年ってまだ業界的には景気のいい時代だと思っていたけど、制作費の面ではもう1日撮りを余儀なくされていたんですね。

「全部1日撮りでした」

──つらくて辞めようと思ったことは?

「歳も歳だったし、背水の陣といったら大げさですけど、流れ流れてようやく就職したわけですからね。同僚というか仲間が必然的にみんな年下で、そういう若い子らはヘコんでましたけど、ある程度僕は社会経験もあったし」

──出版社での編集業もしんどいですもんね。

「ほかの業界でもしんどいこともあったんで、わりと平気でした。つらいだけでなく楽しいことも多かったし、とにかく夢中だったんで」

──ADを経て監督になる道筋は見えていたんですか?

「僕が辞めようと思わなかった理由のもう1つは、そこですね。当時、ディープスは社内監督がカジー(風間)さんぐらいしかいなくて、あとは外注の監督さん。そこで監督を育てようという機運、若手にどんどん撮らせていこうという動きがあったんです。だから僕、入って9ヶ月後に1本目を撮れたんですよ」

──記念すべき処女作のタイトルは?

「『飲んでベロベロ・無理矢理バコバコ クラブでお持ち帰りファーック!!3』(2006年)です。『4』も撮りました」

──ネットで検索すると、監督名がスティーブン・ソータバーグ。さすが映画ファン。有名な映画監督の名前をもじったんですね(笑)。

「監督名をどうしようと思って、今も親しくしてもらっているある漫画家さんに相談して、命名していただきました」

──企画書を書いて通さないと監督になれないメーカーがある一方で、前からあるシリーズ物を次はお前が撮れ、みたいな形で任されて、早くに監督になれたわけですね?

「はい。監督になりたくて入ったので、こんなにすぐやらせてくれるんだと思って、すごくうれしかったです」

──ラッキーですよね。スティーブン・ソータバーグ時代、印象に残っている監督作品はありますか?

「『マジックミラー号 逆ナンパin湘南 170cm以上の極上ボディSPECIAL!』(2007年)ですね。これで賞をいただいたんですよ。AVグランプリ2008の、ナンパ・素●部門でした」

──すごい、あの大イベントの作品賞ですか。どんなAVを撮っているのかは、当時同棲していた彼女は知ってたんてすか?

「最初は後押ししてくれたんですけど、やっぱり女の子なので、そこから先の深い話は聞きたくないんですよね。いまだに仕事の話はしないです」

──あ、今もその彼女と続いてるんですか?

「今のカミさんなんです」

──へえー。なんかすごくいい話。結婚して今日に至るなんて。彼女とはどういうきっかけで出会ったんですか?

「映画のワークショップに通っていたときに、脚本が選ばれて、監督することになったんです。それで、撮影に向けてカフェで脚本を書いているとき、僕のテーブルにやってきたウエイトレスのコに、『映画出ない?』って声をかけたんです。半ばナンパで誘ったんですよ」

──主演女優を探してた?

「そうなんです」

──要は、好みのタイプだったんですね?

「そういうことです(笑)。よからぬ心もあって声かけたんです。そこからですね」

──その作品は撮ったんですか?

「撮りました。20年くらい前ですね」

──そんな若い頃からずっと続いて結婚に至るとは、なんて素敵な話でしょう。映画青年の恋バナとしては完璧ですよ。そんなロマンチックな話の後で聞きにくいんですが、で監督はいろんなAV企画を撮っているわけですよね。特に燃えるジャンルとか、何かのフェチだとかはあるんてすか?

「僕、そういうのがなくて、逆にこれはやりたくないという企画も全然なくて。ドラマ物を撮るのも好きですし、素●物も、多人数物も好きですし。ユーザーとして、好きで抜くために見るのは、すごくシンプルなハメ撮りですね。見て好きなものと作るのが好きなものって別なんですよね」

──その気持ちはわかります。AV制作者としての転機になったタイミングはありますか?

「ディープスには4年いて、まあ業界的にいろいろ厳しい時期を迎えて」

──多くのメーカーがそうでしたよね。

「ディープスも変わる時期が訪れて、そんなときに、ヒビノから、ウチに来ないか? と誘われたんです」

──古くはあの村西とおる監督の片腕だった、日比野正明監督が立ち上げたメーカーですね。

「日比野さんが人を探してて、来ないかという話があるよって、聞かされて」

──あ、ディープスの人からいわれたんですね。

「それでヒビノに移ったんです。その当時、ナチュラルハイから分かれたDANDYがすごい人気があって、ああいうふうに企画物をレーベル化して打ち出していったほうがいいんじゃないかということをヒビノに相談して、SWITCHを作ることになったんです」

──大人数物の企画作品のレーベル。誕生のきっかけがボトムズ監督だと初めて知りました。

「ディープスでやってきたことを認めてもらって、立ち上げから関わらせてもらったんです」

──ネットで検索すると、SWITCHでの監督名は、キャプテン☆ソータマーケット。元ネタは知る人ぞ知るスプラッタ映画ですね。

「ちなみに、SWITCHのSは『スターウ●ーズ』のSにしてくれって僕がすごく主張して、このロゴになったんてす」

──ほんとだ、よく見ると微妙にあのSだ。初めて気づいた。これはAVクイズ王の超難問レベルですよ。

「たしかに(笑)」

──AV通を気取っている奴に、じゃあお前、SWITCHのロゴのSは何に由来してるか知ってんのか? って自慢できる(笑)。SWITCHと関わることで、大人数物のプロとして生きる運命が加速したんですね。

「SWITCHレーベルで、とにかく人数物のシチュエーション物をずっと撮ってたんで、それが、フリーになった今の力になってますね」

──ヒビノの社員としてSWITCHで撮っていた期間というのは?

「3年間いて、2012年にフリーになったんですよ」

──フリーでやっていけると思って、みずから退社を決意したんですか?

「はい。日比野さんは『どんどん独り立ちしろ』、というタイプなんです。今思うと、恩人に対してすごく失礼なお願いなんですけど、『フリーになりたいです。フリーになった後もお仕事をいただければ』みたいな甘いことを言ったのに、ヒビノさんは『ああいいよ』って。しばらくフリーで撮らせていただいてました。SWITCHだけじゃなく、ヒビノでドラマ物も撮らせてもらって」

──7月にスカパー!アダルトで放送されたh.m.pの『部活の厳しい練習にめげない可愛い教え子たちの恥ずかしそうなブルマ尻に興奮した顧問のボク!』(レインボーチャンネル)の女優5人の作品なんて、もうへっちゃらのレベルということですか。

「まあ、30人とかを撮ってきましたからね。去年、縁があってh.m.pの方と知り合いになって、僕から営業をしたんです。人数物を撮ってたんですといったら、ちょうどプロデューサーさんが人数物をやりたいと思っていたところで」

──ラッキーでしたね。現在、撮影のカメラはご自身で担当?

「僕がやってます」

──濡れ場を撮るときのこだわりはありますか?

「僕、局部だけを撮るのが好きじゃなく、ハメシロ(性器の結合部)を撮るときも、奥に女優の顔が映っていてほしいんですよね。自分が実際にオナニーするときに、結合部だけ映ってるのがほんと嫌で、リアクションしてる女の子の顔があって初めて成立すると思ってるんで、顔の表情を必ず映すことだけはこだわります」

──じゃあ最後に、監督はどういうタイプの女の子が好きなんですか?

「ざっくりいうと、色が白くて細身のコが好きなんですよね。おっぱいも白すぎて血管が青く浮いているコがいるじゃないですか。ああいうコが好きですね」

仕事に一途で、女性にも一途。輝かしい1人の男性の人生がここにありました。監督、どうもありがとうございました!

前編はこちら→「ブルマ作品の複雑なルール」



Profile
ボトムズ

1976年東京生まれ。2005年にディープス入社。カジー風間監督の組に配属され、ADとして修業をスタート。多人数出演の企画物作品の撮影ノウハウを体で覚える。2006年、シリーズ作品の続編を任される形で監督デビュー。2008年、同年のAVグランプリで作品賞を獲得。2009年、ディープスを退社し、ヒビノに移籍。同社の看板レーベル「SWITCH」の立ち上げに参画し、多人数作品を精力的にリリース。2012年、ヒビノを退社し、フリー監督となる。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


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