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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第85回 西中島南方(前編)
「SODとV&Rが人生の分かれ道」

監督

西中島南方監督は、SODクリエイトの元社員監督で、退社した後もフリーのディレクターとして同社の「SOD star」や「青春時代」レーベルの作品を主に手がけている。紗倉まなを皮切りに、人気女優のデビュー作を次々にヒットさせ、彼女らをスターダムに押し上げてきた。そこには、新人女優はこう見せるべしというこだわりと演出法があったのだ。

──今月、スカパー!アダルトで監督の作品が2本放送されます。まず『メイド服にブルマがよく似合うショートカット美女のプルンと主張する微乳と突き出しながらご奉仕するプリ尻!』(レインボーチャンネルHD)です。

「これは、僕が初めてh.m.pでやった仕事なんですよ」

──注目どころを教えてください。

「全編、ブルマを脱がしていないというのがひとつ」

──紺色から赤まで多彩なブルマが登場しますね。

「上半身がメイド、下半身がブルマという衣装の作品をやってくれとプロデューサーから言われました。これはh.m.pでも初めてやるらしく、そのかわいい姿のままエッチを始めるというところが、観ていて楽しいんじゃないかなと思います」

──主演の君色花音ちゃんは、M性のある従順なメイド役がピッタリでした。

「いい子でしたね。でも、ブルママニアの人には、ハサミで切ったのは冒涜だと批判されるかもしれない」

──股間の部分に穴を開けるシーンですね。神聖なブルマに傷をつけるとはなにごとかと。

「それはちょっとまずかったかなと気になっています」

──でも、それが好きなマニアもいますからね。もう1本はいわゆるショタ物、『『白石茉莉奈』DQN高●生の息子にAVデビューみたいなハメ動画を撮られ勝手に販売された義母!』(レインボーチャンネルHD)。旦那とのハメ撮りやオナニーの自画撮りを義理の息子とその悪友に見られたことがきっかけで、彼らにヤられてしまうというお話です。

「これは、僕が白石茉莉奈のファンだから、というだけで撮らせてもらったようなもので」

──あ、ファンだったんですか。

「僕は、彼女は日本一のAV女優だと思ってるんで」

──監督がまりりんを撮るのは『白石茉莉奈 超高級人妻ソープ嬢』(SOD star/2013年)に続いて2本目ですよね。今回の作品の見どころは?

「これまでにいくつもの作品を撮ってきた経験豊富な彼女を、AVデビューみたいな感じで撮れないかということで、ドラマ物という体で作ったんです」

──劇中劇となる、“熟女AVのデビュー作に出演させられる素●人妻”のういういしさが大きな売りですよね。

「そういうのが面白いんじゃないかと思ったんです。初めてカメラの前で服を脱いで、恥じらいながら裸になるシーンが見どころのひとつですね」

──あのシーンでのまりりんは、ほんとうの素●のようなとまどいや緊張感が出ていました。すごい演技力です。

「白石茉莉奈は、ほんとに芸達者ですからね」

──ここまでにご紹介した君色花音と白石茉莉奈のエロ姿は、アンテナやチューナー要らずの新サービス「IPリニア」でも視聴できます。スマホ・タブレット・PCがあれば、インターネット経由でスカパー!のアダルト番組を楽しめるんです。

「ぜひ大勢の皆さんに観てもらいたいですね」

──では、次は監督ご自身のことを伺っていきますが、AV業界入りのきっかけは何だったのですか。

「大阪にある映像の専門学校を卒業して東京に出てきて、テレビの仕事をしていました。そこがあまりに過酷だったので辞めて、次はCMの制作会社に入りました。僕はもともとフィルムに興味があって、当時CMは35ミリのフィルムで撮っていたんです」

──仕事内容には満足していたということ?

「それが、CMって演出と制作が分離されていて、僕は演出に行きたかったのに、配属先は制作のほうだったんです。演出をやりたいなとずっと思っているうちに、会社が潰れそうになってしまって。これを機会に映像の演出をやれる会社に行こうと考えて、AVの世界に飛び込んだんです」

──AVはユーザーとして見ていたんですか?

「レンタルビデオで見てました」

──どんなAVが好きだったんですか。

「大阪にいる頃からV&R(プランニング)が好きで、バクシーシ山下さんとカンパニー松尾さんの作品をよく見てました」

──その世代なんですね。V&Rに入ってもよさそうなのに、どうしてSODクリエイトに入社したんですか。

「アルバイト雑誌を見ていたらV&Rと、まだSODクリエイトに改名する前のハムレットが求人広告を出してたんです。それでまずSODに電話をかけたら、すぐ来てくれとのことで、急いで履歴書を書いて面接に行ったんです。そこで採用が決まって、明日から来るようにと言われたので、だったらもうV&Rはいいやって思って」

──いつ頃のことですか?

「2001年、まだ森下くるみが専属だった頃ですね。でも、腰掛け程度で、ちょっと演出をやったらまたCM業界に戻ろうと思ってました。その前になんでもいいから監督をやってみたいと思って軽い気持ちで入ったんです」

──そうだったんですか。なのに今もAVを続けている理由を、順を追って伺いますね。監督はずっと主にSODクリエイトの作品を撮ってますが、社員監督からフリーになったのはいつ頃ですか?

「SODを辞めたのが、入社6年目か7年目です。やめて10年経ちました。僕はまったく営業活動をしないんで、他のAVメーカーを知らなかったんですよね」

──入社してADになった頃は、やはり女の子をナンパするのも仕事のうちでした?

「そうです。今のマジックミラー号ができたのが僕の1年目のときで、監督が菅原ちえさん(この当時、メーカーの創始者・高橋がなりの後任のハムレットの代表取締役でもあった)で、湘南で『初めてのディープキス』(シリーズ物)を撮ることになって、ナンパばっかりやらされました。大変でしたね」

──ちなみに初めてADとしてついた現場は?

「入社の翌日にさっそく現場行けって指示されて、それがDEEP’S(当時、SODのグループ内メーカー)の『牧原れい子の手コキ.淫語.痴女』(2001年)でした。その現場は何もしんどくはなかったんですけど、次についた『女剣道家VSレ●プ魔』(2001年)の現場はハードでしたね。」

──テレビ業界に比べて、雑務も含めたSODの仕事は、厳しかったですか?

「要領の悪い人にとって厳しいだけなんですけどね」

──といいますと?

「確かに理不尽なこともいっぱいあるんですけど、要領よくやれば簡単に済むんですね。僕は要領よかったんで」

──それはテレビ、CM時代に培われたノウハウ?

「周りは新卒の社員ばかりで、僕だけがそういうキャリアがあったので」

──みんながパニクッてるなか、ゆったりと作業してたんですね。

「これは危険だなと思ったらそこをスルスルと避けて」

──何も知らないフレッシュマンは突っ込んでって地雷を踏むみたいな。

「そうですね」

──入社して監督に昇進したのはいつだったんですか?

「半年後くらいですね。その前に、コーナー監督は入社2〜3ヶ月後にやってます。当時、ぶっかけ物が全盛期の頃で、ぶっかけなら誰でも撮れるだろうということで、『アイドルザーメン VOL.4 加護あいり』(2001年)を社員6人で1パートずつ分担して撮ったんです」

──初の単独監督作品は?

「マジックミラー号物だったと思います。今とは別の監督名で撮っていて、以来その名前で6〜7年くらい、退社するまで監督をやりました」

──当時は、自分で企画を出して通らないと監督になれないシステムだったんですか?

「いえ。菅原ちえさんから『このシリーズを撮れ』といった指示があって、それで撮っていた感じですね」

──台本は自分で書いて、菅原さんのOKをもらってようやく撮影に入るという形?

「たぶんそうだったと思います。企画物から、当時専属女優だった黒沢愛の単体物までいろいろ撮りました」

──さて、CM業界に戻るつもりだったとおっしゃってましたが、気が変わったのはどうしてですか?

「辞めるに辞められない事情があったんです。新人監督カーニバルというプロジェクトが会社にあって、予算をやるから好きなように撮れと言われて撮ったんですけど、いろんな事情で頓挫しました。それを終わらせるまで辞められない雰囲気になったんです」

──現場で何らかのトラブルが?

「そういうことです。それで高橋がなりさんを怒らせてしまうことになったんです」

──最終的に完成させたんですか?

「はい。1年ちょいくらい経って」

──そこでAV監督も会社も辞めることはできたわけですよね?

「CM業界に戻ろうと思ってたんですけど、もう知り合いがいなくなっていて、受け皿がなかったというのと、SODの仕事も面白いと思えてきてたんで」

──もし就職活動のとき、憧れのV&Rのほうに入っていたら、その後のキャリアがまるで違っていたんでしょうね。

「ほんと、そう思いますね」

──SODクリエイトに入ったがために、フリーになった今も白石茉莉奈、桐谷まつりら専属の人気女優との仕事が来るわけですが、SODを辞めた理由は何だったんですか?

「AVってつまんないなと思ってた時期で、今度はイメージビデオをやりたいと思って。脱がない女の子を撮りたいなと」

──グラビアアイドルのDVD?

「そんなに有名じゃない女の子の、着エロと呼ばれるきわどいイメージビデオです。何十本と撮りました。だけどしばらくすると飽きちゃって、大阪の実家に引きこもることにしたんです」

──どんどんAVから離れていったんですね。

「ところが、僕が大阪に行くと聞いたSODのプロデューサーが連絡してきて、大阪で制作部を作ってほしいと言われたんです」

──具体的にはどういう仕事をしてほしいと?

「女の子を発掘してくれと。でも、いろいろ大変でうまくいかず、その話は結局立ち消えになるんです」

──そういう紆余曲折のはてに、2010年に西中島南方監督の名前でSODクリエイトで監督するようになったんですね。この監督名は、大阪の地下鉄の駅名ですよね。ゆかりのある土地だから?

「そういうことです。AVの監督をやるようになってからもしばらくは大阪に住んでいて、出稼ぎで上京して撮ってたんです。紗倉まなのデビュー作くらいまで」

──僕は、『紗倉まな AV Debut』(SOD star/2012年)で、西中島南方の名前を初めて知ったんです。大ヒットした作品ですよね。

「そうなんですよ」

これがきっかけで西中島南方監督の快進撃は始まった。後編では新人女優の演出のこだわりなどを明かしてもらいます。お楽しみに!


Profile
西中島南方(にしなかじまみなみがた)

1978年大阪生まれ。映像系の専門学校を卒業後、上京してテレビ番組制作会社に入社。その後CM制作会社での勤務を経て、2001年にSODクリエイトの前身会社に入社。2007年に退社し、フリー監督としてイメージビデオ作品に携わる。2010年に大阪在住のAV監督としてSODクリエイト作品で活動を再開。2012年に撮った紗倉まなのデビュー作で大ヒットを飛ばし、以後、SODクリエイト期待の専属女優の初撮りを多数手がける。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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