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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第74回 デラ3(後編)
「SEXを仕事にできる人にリスペクト」

前編はこちら→「脱がせたら競泳水着の意味がない」

監督

「自分はこだわりがない監督」と何度も繰り返すデラ3監督。だがいつの間にか、綺麗なお姉さんへの愛と、競泳水着への執念が漏れ出てきた。

──同僚の青髭大悟監督は可愛いアイドル歌手が好きだと公言しています。デラ3監督はどういうタイプの女優というか女性が好みなんですか?

「僕は正統派の綺麗なお姉さんです。あっきー(吉沢明歩)なんかまさにそうですね」

──マキシング専属には、背の高い綺麗なお姉さん系の女優が多いですよね。それこそ監督の好きな競泳水着が似合うボディラインの。

「まさにそういうタイプが好きです」

──巨乳フェチであるとか、パーツのこだわりは?

「そういうのがないんですよね。僕、AV撮ってて、申し訳ないくらいそういうこだわりがないんです」

──少年時代、どういうアイテムをオナニーのおかずにしていたんですか?

「インターネット黎明期だったので、ネットで普通に男女がSEXしてる画像とか動画を見てましたね。僕は興奮する沸点が低いんです(笑)」

──そうか。脚は黒ストッキングに限るだのといったフェチ的なこだわりはないんですね。

「それがないから、逆にいろんなものを撮りたいと思えるんじゃないでしょうか。ウチは女子●生物からSM物まで、いろんなジャンルの作品を出しているんですけど、僕には変にこだわりがないからこそ、無神経に何でも撮ってしまえるんだと思うんです」

──職業AV監督としては正しい姿なんじゃないですか?

「とはいえ視聴者的には、こだわりがある人に監督をやってもらいたいという気持ちはあると思うんですけどね」

──そういう熱いお客さんはいるんですか?

「います。特に由愛可奈ちゃんなんかは何でもやってくれるとユーザーさんに思われているので、原稿用紙に何枚もまるまる1作品分の企画というかシナリオみたいなのを書いてくる方はいますね。あと、エロゲームのシチューションを挙げて、由愛可奈ちゃんでこれをぜひ、とか。正直、実現が難しいマニアックなものばかりで(笑)」

──ユーザーの意見を採用して作品として実現させたことは?

「あんまりないですね。でも、僕はこだわりがないから、いろんな人から意見を聞いて、じゃあそれやってみようって何にでも興味を持てるんです。たとえば、由愛可奈ちゃんで撮った『江戸四十八手』(2016年2月発売)なんかは、ウチの編集をやっているコから『四十八手を見てみたいです』といわれたのがきっかけです。そういえば由愛可奈ちゃんは体位の四十八手はやってないな、僕も見てみたいな、そんなふうに思ってすぐに実現させました。これは、本当に僕が見たかったものを撮れたので、数少ない思い入れのある作品ですね。何度もいいますけど、基本本当にこだわりがないので、見境なくいろんなものを撮ってきたし、それでもネタがないなというときは競泳水着に走ります(笑)」

──監督が撮った作品で、セールスがよかったものとコケたものって特にあるんですか?

「そういう数字を聞くこともあんまりないんですけど、由愛可奈ちゃんを初めて撮った作品は売れたって聞きました」

──デラ3監督の初の由愛可奈AVは彼女の4作目で、やはり『夢の競泳水着×由愛可奈』(2011年10月発売)ですね。

「あ、そうだ、思い出しました。やっぱり『撮るなら競泳水着物を』といったんだ(笑)。ただ、特にこの作品が売れなかったという話は聞いたことがないですね」

──マニア物を出しているメーカーじゃないし、単体女優物だからそれほど珍奇なAVにはならないですからね、マキシングは。

「専属女優だから、そのコが得意で、できる範囲のものしか撮らないですし、キカタン(企画単体)の女優も名前と実力のある人しかキャスティングしないですから、現場で『こんなはずじゃなかった』みたいなトラブルなどもないですね。あ、でも僕は撮ってないんですけど、『変態ヨダレ女』というシリーズに対して、営業が『ヨダレ物はちょっとやめない?』といったことはありましたね」

──売れなかったから?

「由愛可奈ちゃんもあっきーも出てるので、売れてないはずはないんです。タイトルがあんまりイケてなくて店舗で評判が悪かったから、営業がそういったんだと思います」

──AVのタイトルは誰がつけるんですか?

「企画と同じく、タイトルもウチは社員みんなで考えてます」

──デラ3監督の発案で始まったシリーズ物として、お気に入りは?

「『至高のペニバンアナル男犯』といって、あっきー、波多野結衣ちゃん大槻ひびきちゃんが出ているシリーズです。社内の誰かがペニバン物を提案したときに、僕が面白いと思って実現させたものです。美女がペニバンをつけて男を犯すという作品なので、こういうハイレベルな攻めができる女優さんってそうそういないのがネックです。そんなに定期的には出せないですね」

──なるほど。ペニバン物は多くのメーカーがやってますよね。どこのメーカーも旬なものはパクりパクられがあって、ゆえにブームが発生するわけですよね。

「ウチもS1さんの『おま●こ、くぱぁ。』をマネしましたけどね。僕が撮ってる『中●しマ●コ、くぱぁ。』(計6作品が発売中)はパッケージも露骨にパクッてますからね。でも、『くぱぁ』物をマネしているのは他社だってやってますからね。そうやって業界が盛り上がるのであれば、よいことだと思います」

──しかし、三十路になっても第一線で、今日ここで挙がったマキシングのシリーズ物につねに名を連ねている吉沢明歩はやはり素晴らしい女優なんですね。

「はい。プロ意識が高いし、攻めもうまいし、ケガをしてても撮影はちゃんとやるという人ですからね。僕にとってはほんと、つねに仰ぎ見る対象です」

──具体的に、ルックスではなく、仕事をしたいタイプの女優というと?

「フレンドリーなコがいいですね。今月スカパー!アダルトで放送していただける『新人 水鳥文乃』(バニラスカイチャンネル)の水鳥文乃ちゃんなんかは、まさにそれです。近年まれに見る逸材です。AVじゃなく、普通にアイドルとしてもやっていけるんじゃないかって思いましたから」

──人当たりがいいというのは、それだけでポイント高いですよね。

「素直に反応するし、いいSEXが撮れるから、まずフレンドリーなコが一番ですね」

──そういう子と監督がハメ撮りしたらいい作品になりそうな気がしますが、デラ3監督は、ハメ撮りは?

「僕はハメ撮りについては、人さまにお見せできるものを撮れる自信がないからやりません。僕はいつも思うんですけど、人間の3大欲求(食欲、睡眠欲、性欲)を仕事にできるというのは、よほどの覚悟がないと無理だなって。3大欲求のうちの1つが仕事になってしまうということは、生きる喜びのうちの1つを削られるんですよ。だから、食レポをやってる人もすごいと思うんです」

──ということはAV男優もすごいということなんですね。

「ほんと、もう尊敬してます。リスペクトです」

──AV男優は、好きなタイプと真逆の女性ともSEXしなければならないわけですからね。

「そうです。SEXが仕事になると、日常で綺麗なコを見ても、ヤリたいなって思えなくなるって聞きますからね」

──デラ3監督は、男優を使って自分の見たいエロを映像で実現できているから、自分がSEXしなくとも、この仕事で快感は得られているという感じですか?

「むしろ、好みの女の子と自分がヤるよりも、男優さんに組み敷かれている映像を見て、ヌイたほうが気持ちいいのかなと思ったり(笑)」

──奥さんを寝取られて痴態を見る快感に覚醒する旦那さん的な興奮ですね。

「あ、今度、寝取られ物やってみよう。昔はやってたんですけど、しばらくやってなかったんです」

──そうか、恋人にしたいくらい好みの女優を男優に抱かせる、という寝取られ気分で興奮できるAV監督もいるんですね。

「自分がやりたいSEXシチュエーションを、第三者の視点で見ているというのはすごくいいですね。それこそユーザー気分。でも、自分が撮ったものを見てオナニーすることはないです。なんか虚しくなっちゃうので」

──何年も、日々AV女優のSEXやマ●コを見ていると、無感覚になることはないですか?

「そこは仕事だからと線引きできています。僕は会社を出たらすぐに一般人の頭に切り換わって、普通に初めて出会う女の人の裸を見て興奮できますからね」

──そういう職業病めいたものとは無縁なわけですね。今、月に何本監督しているんですか?

「ウチは毎月7〜8本リリースなので4本ぐらいですね。青髭さんと分担して」

──専属女優を抱える社員監督というのはプロ野球の監督に近いのかもしれませんね。与えられた選手=女優でいかに戦っていくかを考えるという点で。

「そうです。社長が決めて獲得したコをどううまく料理するかです」

──走れない選手には盗塁はさせないということですね。

「そうですそうです。演技力のないコに無理にドラマ物はさせないですけど、ちゃんと活躍できる場面を一所懸命に考えています」

──では、今後に向けてひとことお願いします。

「世論などの関係でモザイクが濃くなったり、表現的には厳しい時期です。でも、AV界を盛り上げて頂いているのは見てくださる方たちなので、そうした制約に負けず、時代の流行もどんどん取り入れて、僕みたいにこだわりのないところを逆に長所として、皆さんの見たいものをどんどん実現させていきたいと思っています。でも、あまりにマニアックすぎる要望はやめてねということで(笑)」

──本日はじゅうぶん、こだわりがないと自称する監督の「こだわり」をうかがいました。ありがとうございました!


Profile
デラ3(でらさん)

1981年東京都生まれ。大卒後は写真スタジオに入社するが、2006年に退社し、充電期間を経て2008年にAVメーカー「マキシング」へ。2009年に同社の看板女優である吉沢明歩の作品『明歩にしかできない究極のイカセ術 吉沢明歩』で監督デビュー。同社の社員監督として、ジャンルを問わず精力的に活動中。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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