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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第62回 川崎軍二(後編)
「息子と妻と一緒にロケハンへ」

前編はこちら→「カラオケ映像で監督デビュー」

監督

1958年、日活撮影所に入社して以来、美術担当として20年をすごした川崎軍二は、カラオケ映像で監督デビュー。村西とおる監督の本●AVに衝撃を受けながらも、独自の世界観があふれる作品を放ち続けてきた。そんな川崎監督の創作の秘密を聞く。

──たっぷりな情緒が魅力の監督の作品ですが、セックス観についてうかがいたいと思います。

「僕が若かった頃、田舎には暖房じゃなく薪をくべたストーブしかなかった。どてらを羽織って男女がそこで自然と身を寄せる。そこから僕は、本能的に性の世界を思い描いてしまうんですね」

──もう当然セックスに至るわけですね。

「みんな寂しいから、人肌のぬくもりを求めるんですよ」

──監督がマドンナで3本撮った『農村の母』シリーズ。牧原れい子、翔田千里、風間ゆみというトップ女優のモンペ姿が売りですよね。これも、メーカー側ではなく監督の発案?

「そうです。モンペ姿じゃなきゃ農村じゃないよと。プロデューサーも何もいわずにやらせてくれました」

──色っぽい美女とモンペというギャップがたまらない『農村の母』は、東京で暮らしていた母子が田舎に戻ってくるところから始まります。お母さんはその色香で村の若者を興奮させ、自分も旦那と別れて欲求不満だからセックスする。で、最後は愛する息子と結ばれる。これは、川崎監督の中では、農村のよくある話なんですか?

「そうです。僕は常にリアリズムを意識して撮っています。田舎ってそういうもんだよって。セックス以外やることないんですよ」

──母子の近●相姦も含めて、ありそうな話だと納得させられてしまいます。

「互いにいたわり合い、かばい合うという芝居を重ねていけば、最後は結ばれるのが自然なことだと思うんです」

──ちなみに、監督のご家族は。

「僕と女房との間に子供が3人います。上から長女、次女、長男。娘は2人ともアメリカで生活しています。息子はこっちで会社員をやっています」

──家族は、川崎監督のことをAV界の巨匠だと知っている?

「巨匠かどうかはともかく、AV監督をしていることは知っています。家族と仕事の話をすることはないけど、もう誰も気にしてないです。息子は僕の家の近くに住んでるんですけど、僕が免許を持ってないんで、たまに息子にウチの車を運転させて、女房も助手席に乗って、僕も乗って、近郊の田園地帯までロケハンに行くんです。僕の撮るAVの」

──へ〜え。いいファミリーですねぇ。昭和っぽい風景を探しに?

「それと、撮影で借りられそうな民家を探しに」

──あ、川崎軍二作品ならではの貸しスタジオではありえないリアルなロケセットは、そうやって探していたんだ!

「山梨県方面に行くことが多いですね」

──使えそうな家を見つけたら、自ら交渉されるんですか?

「そうです」

──住民がいる家をすんなり借りられるものなんですか?

「僕は老人だから、のこのこ行っても警戒心は持たれないんですね(笑)」

──アダルトビデオだとちゃんと明かして?

「うん。僕ははっきりというんです。たとえば、実際の青果店で撮影したことがあるんですよ」

──ああ、マドンナの『八百屋のエロ奥さん』ですね?

「そうです。おじさんおばさんが営んでるんだけど、商品が野菜だから、本当は店を貸すのは嬉しくないわけですよ」

──それはそうですよね。

「でも僕は最初から嘘はつかず、裸のシーンもあるけどいいですか? って3回くらいは念を押す。そしたら僕を信用して、店舗も奥の住居も貸してくれました。いくらかの謝礼を払って貸してもらってるんです」

──そうか。そうやって、絶対によそのAVでは見たことのない家や大衆食堂や店舗での撮影をものにしてきたんですね。

「人としてきちんとお願いして謝礼を払えば、たいてい貸していただけます。夕方までだったらいいよとか、日曜日だったらいい、とか返事をもらって、後日、じゃあその日程で撮影を組みます、お願いします、という手順ですね」

──新宿の「思い出横丁」の飲み屋が舞台の作品もありましたね。営業が始まる夕方までだったらいいよ、と貸してくれたんですか?

「そうです」

──撮影は1日撮りですか?

「だいたいそうですね」

──息子さんの運転じゃないときのロケハンは?

「通常は助監督が1人で車で探しにいって、民家を見つけたと報告をもらう。それで交渉は必ず僕が行くんです。やっぱり若い男だと警戒されるんですよ。また、僕が実際に家を見て、NGを出すこともあります」

──それでセットも撮影日も決まって、ようやく安心して脚本に着手を?

「そうです。もうオープニング、エンディングのイメージもできた状態。あとはシーンを頭の中で整理して話を組み立てる」

──肝心の主演女優はメーカーが決めて、監督に「この人でお願いします」というかたちなんですか?

「主演女優はメーカーさんにおまかせです。ホットエンターテイメントで撮るときも、マドンナで撮るときも。面接で女優さん本人と会って話しながら、『この女優ならあのネタがいける』と頭の中でストーリーをイメージすることが多いです」

──そこから、イメージに合った民家なり商店を探す。

「そうです」

──ムービーのカメラを自分で担当する監督も多いご時世ですが、川崎監督は必ずカメラマンを雇いますよね。

「場所や状況によっては僕が持ってるカメラで撮影することもあります。だけど基本は、カメラはカメラマンのもの。演出家はカメラに触れない。カメラを覗いていたら現場の全体が見えない。統括できないですから」

──濡れ場では、女性のどういう部分がエロチックだなと思っているんですか。

「お尻ですね。丸みのあるお尻に尽きますね。熟女AVのファンは巨乳より巨尻を求める人が多いですし、お尻のよい女性は存在感が違ってきます。薄いお尻だと女性のたくましさが伝わってこないです」

──川崎監督の演出は、どういったことを重視するんでしょうか。

「濡れ場では、『自分がいいと思うようにやってみて』というと、女優はいいものを出してくれますね」

──あれこれ細かいことをいわないほうがいいんですか?

「うん。それで、『今のよかったね、上手だね』って言葉で褒めると、喜んで、もっと頑張ってくれるからね」

──濡れ場に際して、男優女優にとりあえず注文することはあるんですか?

「あんまりこまごまと注文すると、いい結果が出ないと思う。すでに台本を読み込んで役になりきっているわけだから。それに、監督に信頼されていると思わせたほうがいい結果が出るんだよね」

──そのような環境を整えるところから始まるんですね。

「そう。現場が引き締まってくるのがわかるからね」

──男優は、トニー大木、工藤健太、宮崎博之らを好んで起用していますね。彼らの芝居が上手だからですか?

「存在感があるからです」

──では、毎回、女優の面接から作品の演出は始まってるといえるわけですね?

「うん」

──脚本も、ロケセットを借りる交渉も、すべて監督自身がやっておられるんですね。

「そうだね(笑)」

──それもあっての、さっきおっしゃった「達成感」なんでしょうね。

「そうそう」

──今後も再び、「軍二」レーベルのあるホットエンターテイメントなどで撮られるわけですね?

「そのつもりです」

──川崎監督がいい企画を思いついて、それをメーカーに持って行けば、来月にも新作を撮る可能性がある?

「うん。撮るなら、切れ味の鋭い、常識を超越したものをと意識してるんです」

──いまだ素晴らしい創作意欲がありますね!

「僕ね、さっき早く(この取材場所の最寄りの)駅に着きすぎちゃって、喫茶店に入ってアイデアを考えてたんです。そしたら3つばかり浮かんだんですよ(と鉛筆で手書きのメモを見せてくれる)」

──3つもですか!? 鉛筆は2Bですか?

「うん」

──僕も原稿が手書きの時代は2Bでした。あ、最後に、さっき考えたというものを1つ、さわりだけでいいから、ここで教えてくれませんか?

「じゃあ、このネタを発酵させてみようかなというのを1つ。横浜にドヤ街があるんですね」

──寿町ですね。いきなり川崎監督の世界だなぁ。

「かつて1回だけここで撮影したことがあるんです。で、ドヤ街に女がいるんだけど、脳梗塞で寝たきりなんです。そこへ、ヤクザから足抜けしようとして追われているトニー大木か宮崎博之がドヤ街に逃げ込む。それで脳梗塞の女性と出会い、介護する。寝たきりだからしょっちゅうオシッコを漏らすんですよね」

──色っぽいイイ女が病床にいるわけですね。

「そうです。ボーッとしたままね。最後にその若者がヤクザに捕まる。逃げて、あそこの細い路地に追い込まれて包丁で刺されるんだよね」

──おお、思い切り川崎軍二ワールド。もうできたも同然ですね。

「まだ穴だらけなんだけどね。ただ、そういう骨と骨をつないでいけばしっかりした物語ができるでしょう」

──これは近々実現することを熱望しています。どうか、まだまだ傑作を連発してください。今日は本当に貴重なお話をありがとうございました!


Profile
川崎軍二(かわさきぐんじ)

1936年北海道生まれ。多摩美術大学で油絵を専攻。在学中から日活撮影所に出入りし、卒業した1958年に正式入社。日活全盛期からロマンポルノにいたる時期を美術担当として過ごし、1977年に退社して白井伸明監督の映像制作会社に移る。カラオケ映像の製作にプロデューサーとして携わり、後に監督業に進出。1984年、初めてのピンク映画『種馬』を監督して以来、昭和のエロスを今に伝え続けている。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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