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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第48回 小坂井徹(後編)
「パンチラ映像ですごくヌイてます」

前編はこちら→「映研出身者は助監督に向かない」

監督

スーパーアイドルとして一世を風靡した小森愛のデビュー作で監督デビューした小坂井徹のもとには、やがてポツポツと監督オファーが入るようになっていった。

──初めての単独監督作品は?

「にっかつビデオフィルムズがまだあった頃の、『私をベッドに連れてって』(1988年)というやつ。都築れいというすぐにいなくなった女優で撮った30分作品です」

──あの頃のAVは30分が主流でしたよね。どんな内容ですか?

「うーん、憶えてないんだよねぇ」

──まぁ、えてしてそういうもんですよね。単体物と企画物はどっちが多いんですか?

「最近は企画物のほうが多いですね」

──コレは隠れた名作だからぜひ見てくれ、という作品はありますか?

「うーん、特にないなぁ、すいません(笑)」

──や。そういうAV監督も多いですよ。じゃあ、業界に入る前は、ユーザーとしてAVは見ていなかった?

「そうですね。『ビデオ・ザ・ワールド』(コアマガジン)で毎年AVベストテンを選出してたじゃないですか。監督になってからはその上位作品はわりと見ていて、たとえば高槻(彰)さんもそうだし、平野勝之もバクシーシ山下もそうなんだけど、見ちゃうと、とてもこんな作品は俺は撮れないな、って思うばかりで。強いていうならカンパニー松尾のハメ撮り旅行モノはいいなって思うんだけど、自分があんなハメ撮りをできるとは思えないので、いい商品を作る自信はなくて」

──ハメ撮りは今までやった?

「エロ雑誌の付録のDVDでちょっとやったくらいですね。何だっけな、あ、『本当にデカップ』(バウハウス)ていう雑誌だ」

──高槻彰のシネマユニットGASには何年いて辞めたんですか?

「3年ですね」

──フリーになった理由は?

「ちょっとAVが嫌になったんですよ。元日からAVの編集をやってて、やっぱり映画を撮りたいなって思って。ピンク映画を監督しようとも思ったりしたんだけど、実現しなくて、フラフラしてたら、付き合いのあった宇宙企画のプロデューサーに声をかけてもらって月に1〜2本撮るようになったんです。企画物から単体物まで」

──月1〜2本でも生活はできた?

「だって当時、監督料悪くなかったからね」

──ですよね。僕はAVの脚本書いてたけど、月に2本書けば生活できましたからね。女の子はどんなタイプが好み?

「うーん、田舎くさくて、うぶで、ちょいブスみたいな」

──肉体的には?

「今月レインボーチャンネルHDで放送される葉山美空ちゃんみたいな体は好きです。爆乳までいかなくて、これぐらいむちむちしてるのがいい」

──『青い体験』を見て、あの中のパンチラがエロの原点だといってましたけど、AVで演出するにあたって、そのへんを具体的に教えてください。

「絵ヅラも大事だと思うんだけど、肝心なのはやっぱりシチュエーションだと思うんだよね。たとえば僕は撮ってないけど、SWITCHというAVメーカーがあって」

──パンチラ物が多いメーカーですね。

「設定の作り方にお金をかけてるし、同じく似たメーカーのDANDYのAVも作り込みがすごいなと思うんですよ。僕の理想はこのへんの作品ですね。まずパンチラがあって、男が勃起して、それを女性に見せたりするっていうね。センズリを見せたらヤレちゃいました、みたいな」

──わりと各メーカーで定番になっている人気企画ですよね。でも小坂井監督もSCOOPでそういうのを撮ってますよね。

「うん。ただ本当はもっと贅沢に設定とかを細かく描きたいなというのが理想ですね。でも、結局はハメてからが勝負だったりするじゃないですか、ほとんどのAVは。『青い体験』は何がいいかっていうと、映画だからそうなんだけど、ハメるシーンは重要じゃないわけで、いかにしてそうなっちゃうかという、そこを僕は撮りたいわけです。でも今のAVでそれをきちんとやれる状況はなくて」

──カラミ3回は入れるべしって注文されるわけでね。

「120分物でもカラミは最後に1回あればいいいって思うんですよねぇ」

──カンパニー松尾はハメ撮りする際に女優にパンストを穿かせておいて破くっていうところにフェチがうかがえるけど、小坂井監督はそういうものは?

「やっぱりパンツですよ。そこに関しては何度もいいますけど、レインボーチャンネルHDで放送される僕の監督作品。葉山美空ちゃんのパンツを撮ったショットは自信ありますよ」

──なるほど。

「予算の都合もあって久々に自分でカメラを担当したんですが、結果的に好きな画が撮れてるなって思います」

──じゃあ少年の頃からのオナニーのおかずはやはりパンチラ?

「そうです。たとえばYouTubeで『パンチラ』って検索して出てくるような映像でヌケるっていうことです」

──素●女性を隠し撮った感じの映像が出てきますよね?

「そう。自分からスカートをまくって見せてるのはダメです。日常の中の、しゃがんでる所を隠し撮りされたパンチラショットだと、もうそれだけですごくヌケますね。この精神がSWITCHにもDANDYにもあるんですよ」

──あー、そうですね。丁寧に隠し撮りのアングルで作り込んでね。アロマ企画もそう。

「あ、まさにそうです。僕ね、アロマ企画でも撮りたいなと思ったことありますもん」

──あそこは社員監督中心ですよね。

「カンパニー松尾が自分が撮りたいものを撮るためにHMJMを作ったように、自分で会社を作ればいいんだけど、今は不景気だし難しくて、僕も54歳なんで、今さらパンチラビデオでひと儲けという体力と情熱はあるか? と自分に問いかけると、難しいよねぇ」

──要は、AVといったって、セックスしてなくてもいいじゃないかと。アロマ企画イズムですね。

「そういうこと。じゃあセックス撮ってるお前は何なんだっていうことになるけど、撮る以上は、本当にリアルなセックスを撮りたいと思ってやってます」

──映画のセックスシーンでもポルノよりはATGの一般映画の濡れ場のほうが勃起することがありますよね。本当にセックスまで見せるの!? という、まさかのセックスシーンだから。

「だから僕は一般映画でエロシーンが入ってる映画を常に探してますよ。『エマニエル夫人』とかのポルノみたいな映画じゃくて、普通の映画の中のエロシーン」

──そのエロシーンもセックスまでいかなくていいわけでね。

「そうそう」

──鷲本ひろし監督は他人のセックスなんて撮りたくないっていって、アロマ企画を立ち上げて、やがてメジャーなメーカーにしたわけですからね。

「思い出した。宇宙企画で『盗●・虎の穴』っていうシリーズを撮ってたんですよ。あれが楽しかった。本当に素●が投稿した隠し撮り映像もあったけど、演出して撮ったものもあるという作品でした」

──女優の単体物でも企画物でも、小坂井徹監督がめざすエロというものがわかりました。じゃあ、読者に向けて最後にひとことお願いします。

「これからも、設定とディテールにこだわったものを撮っていきたいです。『この監督、パンツのシワのよさをわかってるね』と同好のユーザーに褒めてもられば嬉しいですね。うん、そんなとこです」

──ありがとうございました!


Profile
小坂井徹(こざかいとおる)

1962年愛知県生まれ。『小さな恋のメロディ』で性に目覚め、『青い体験』にトロけた高校時代を経て映画監督を志望する。映画制作部の単調な仕事に飽きた頃、高槻彰の誘いで1988年シネマユニットGASに入社。『私をベッドに連れてって』で初めての単独監督作品をものにし、1991年にフリー転身した。セックスシーンよりもパンチラをこよなく愛する。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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