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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第43回 タイガー小堺(前編)
「パンチパーマで眉毛なしのAD」

監督

今年4月に引退した稀代のAVアイドル・上原亜衣の「引退作同時5本リリース」の総監督としても名を馳せるタイガー小堺監督は、「得意ジャンルがないのがコンプレックス」と明言しつつ各社からオファーがある人気監督だ。そんな彼の素顔をぜひ知りたくて今月は登場していただいた。

──1982年生まれということは、同学年のAV監督もいそうですね。

「それがみんな1つ違いなんです。近いところだと麒麟さんが1つ上で、嵐山みちるさん梁井一さんが1つ下で」

──この3人は皆さん上原亜衣の完全引退作『上原亜衣引退スペシャル 100人×中●し 引退させたいvs引退させたくない』(本中)にカメラマンとして参加してますよね。

「亜衣ちゃんが『何でもやるから今までにない引退作にしたい』といって、メイクさんも今までお世話になった人ばかり10人ぐらい呼んで、監督もこれまで撮ってくれた人全員呼んでほしいっていうのでああなったんです」

──ムービーのカメラをそうそうたる16人の監督が担当しているというのも売りの、前代未聞の引退興行5本立てですよね。今後あんなプロジェクトに関わることってないかもしれないですね。

「ないと思いますね」

──去年の年末の3日間で5作品の撮影。全作品を拝見しましたけど、タイガー監督はほとんど寝てなかったんじゃないですか?

「準備も含めて1週間ぐらいほとんど寝てなくて、けっこう要所要所で記憶がないですね」

──5作品すべてがリンクしているので、セットで見てほしいと僕も声を大にしたいです。さて、その亜衣ちゃん引退作にも出演していた宮崎あやちゃんの『寸止め痴女デート 宮崎あや』(h.m.p)が今月スカパー!アダルトのレインボーチャンネルHDの番組『女王様育成AV!痴女キャラと真逆の宮崎あやにドMな僕はガチで責められたい!!』としてオンエアされるんですよ。

「亜衣ちゃんは共演中にあやちゃんのことを『ポンコツ』ってあだ名をつけたんですが、まさにそのとおりで本中専属の頃の彼女は何もできない子だったんです。今回放送される作品は、『何もできない人に痴女をやらせるにはどうしたらいいか?』から始まった企画なんです。デキない人に淫語をいわせる現場は苦労するだろうなと思ったんで、じゃあ読ませればいいじゃないかと思って教科書を読ませました。それで最後にはデキる痴女になればいいなと思ったんです」

──最後はM男優の山田万次郎をきっちり上から目線で攻められるようになってましたね。

「はい。あの現場があったからこそ『ポンコツといわれないよう頑張ります』っていう展開になったんです」

──デキないコがやらされて頑張る、という「萌え」要素のある可愛さも作品の売りといえますよね。

「そうですそうです。宮崎あやの魅力を上手く出せた1本だと思います」

──では、タイガー監督とAVの接点からうかがいたいと思います。

「中学校ぐらいからAVオタクになって、高校の頃に一番よく見てました。空前のキカタンブームのときで、泉星香とか、澤宮有希、堤さやか、朝河蘭など」

──どうやって入手してたんですか?

「友達ルートで借りられたんです。それで部屋でオナニーばっかりしてましたね」

──中学高校時代はどんな生徒だったんですか。

「中高一貫の進学校にいって落ちこぼれたんです。部活もしてなくて、進学校で落ちこぼれるともうヒエラルキーの底辺。中2から学力順にクラスを分けられて、高校卒業するまでもう暗黒でしたね」

──将来のビジョンは?

「漫画が好きだったんで、大学にいって出版社に入れればいいなと思ってたんですよ。絵が下手だったんで漫画家にはなれないから編集者になろうと、ぼんやりと思ってました」

──ガールフレンドは?

「彼女はいたんです。17くらいのときに、違う高校のコとつき合ってました。一応、坊ちゃん進学校なんでブランドは持ってたんです(笑)。で、大学に落ちて、そこから2年間、予備校もいかず実家に引きこもり。その2年間が最も暗黒でしたね。彼女と親にお金をもらって生きてたんで」

──彼女からお金をもらってた!?

「めっちゃ金持ってたんですよ。2番目につき合ったのが同じ学校のコで、すげぇお嬢さんだったんです。家が金持ちで、頭もいいからが彼女のほうは大学に合格して。フォルクスワーゲンに乗ってて、僕に服とか買ってくれてたんですよ」

──浪人なのにヒモみたいな存在って、羨ましい! 両親はそのへんのことは知っていました?

「うちはお父さんはほぼ転勤族でいなくて、お母さんが偉大なんです。2年間何もいわなかったんですよ。ごはんも食べさせてくれるし」

──息子のことを信頼していたんでしょうね。

「わかんないですけどね。で、2年目の冬ぐらいにお母さんが、大学の願書を持ってきて、『もう1回大学受けてみれば?』って初めていわれたんですよ。同級生で大学に行かなかった奴が1人しかいないくて、進学校出身のプライドはあった。でも、第一志望の大阪の大学に落ちちゃって、仕方なしに東京の大学に進んだんです」

──彼女とは?

「入学の頃に別れましたね。彼女がある日、阪大の医学部との合コンにいって、そこで出会った男に乗り換えられたんです。相手の実家は医者で、こっちは浪人生のヒモ。そこらへんから、僕もう女を一生信じないと思うようになっちゃったんですよ。女は嘘しかいわない、結局ブランドや肩書が好きなんだって」

──で、上京したわけですね。

「ちょっと映像をやりたいと思って大学の映画研究会みたいなとこも見にいったんですけど、もう暗い奴ばっかりでクソつまんなくて。大学が面白くなくて1年目に早々に休学して、つまんなさを打破したくて映像の専門学校に入るんですけど、そこの環境にもなじめなくて」

──そこもつまんない奴ばかりだった?

「それが、やっと気が合う友達と出会うんですよ。『このまま映画業界にいっても面白くなさそうだ、テレビ業界も劣悪な環境で寝れなさそうだ』って意見が一致して。僕らAVをよく見てたんで、『AVだったら面白いんじゃないか?』って話になったんです。AVって金回りよさそうに見えたし、おネエちゃんにいっぱい出会えて楽しいんじゃないかって」

──若者の就職の動機としては正しいですね。

「そいつと2人で、ネットでAVの制作会社を調べたんです。ハマジムがちょうどできたぐらいで、おっ、カンパニー松尾さんがいるぞと」

──カンパニー松尾のAVは見ていた?

「見てました。V&Rプランニングの作品は好きだったんです。で、ほかはないのか? と調べたら、ハマジムのサイトに1個だけリンクが張ってあって、それが古松映像。おお、V&Rのインジャン古河さんがいるって。で、友達がハマジムの面接を受けて採用されて、僕は古松映像のほうが面白そうだと思って面接を受けたら採用された。それが僕の人生の最大の選択ミスだったんです(笑)」

──(笑)インジャン古河と松嶋クロス両監督の会社ですね。ずいぶん過酷な目に遭ったそうで。

「AD(助監督)がほぼ僕くらいしかいなかったんで、ほんと地獄だったですね。寝れないし。松嶋さんに付いてたんですけど、まず、入って半年くらいから服装の自由がなくなった。学ランをずっと着せられたりとか。『美熟女メイドと金持ち坊っちゃん』(CROSS)っていう作品に僕が出演もすることになって、面白いからこの衣装でずっといろって松嶋さんにいわれて、名●偵コナン君みたいな蝶ネクタイ、半ズボン、サスペンダーの格好でそのあとずっと現場から海外ロケまでこなすことになったんです」

──ハハハ。笑っちゃいけないけど(笑)。

「あと、仕事中に下手を打つと基本ボーズ頭にされるんですけど、下手を打ちすぎてもうボーズじゃ面白くないってことで、ニグロパンチ(パーマ)にされて、さらにそこから下手を打つと今度は眉毛を落とさないといけない。パンチパーマで眉毛なしのときもありましたね。ヤクザっぽいスーツを着せられ、これで現場来いっていわれて」

──ハハハ。それでもついていくということは、松嶋クロスは基本的にいい兄貴だったわけですね?

「僕が、あともうちょっと厳しくされたら辞めようと決心していたときにかぎって優しくしてくれるんです。美味しい物もいっぱい食べさせてくれるし、メシに困ったことはない。だから離れられなくなっちゃってたんですよ(笑)」

──そんな青年が、どうやってタイガー小堺監督になったのか。後編もたっぷりとうかがっていきます!


Profile
タイガー小堺(たいがーこさかい)
1982年兵庫県生まれ。県下有数の中高一貫進学校に入るも落ちこぼれ、AVでオナニー三昧の暗黒な思春期を過ごす。2年間の引きこもり生活を経て東京の大学に進学するも1年で休学し、2003年にAV制作会社「古松映像」に入社。業界の名物監督だった松嶋クロスに師事し、ADとして過酷な修行の日々を送る。2009年『世界で一番大きなチ●ポを持つ男のSEX』(ROOKIE) シリーズで頭角を表す。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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