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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第39回 麒麟(前編)
「巨匠・黒澤あららの上をいきたい」
監督

「ごっくん」や「ロリ痴女」で精彩を放つ麒麟監督。「アイドル大好き。恵比寿マスカッツのメンバー全員をごっくん物で制覇したい!」との野望に燃える34歳の素顔に今月は迫る。幸運な出会いがあってのワープエンタテインメントへの就職から、女性不信に至る衝撃的な経験まで、面白話満載の前後編をお届けします!

──まず、今月スカパー!アダルトのレインボーチャンネルHDで、麒麟監督の『男を凄まじい射精へ導くアイドルの有頂天オチ●ポマッサージ☆おフェラ編 宇佐美まい』と『〜☆アソコも使ってマッサージ編 宇佐美まい』(h.m.p)が放送されます。見どころなどを語っていただきたいと思います。

「僕は本当はごっくん物だけ撮っていたい監督なんですが、h.m.pのプロデューサーから『麒麟君、ごっくんもいいけど、プラスアルファ、君の好きなものを特化させたらどう?』といわれたんです。僕はアイドル好きなんで、それを入れてみましょうかということで、ザーメン+アイドルのシリーズがこの作品から始まりました。アイドルみたいな可愛いコが『私こんなのできない』といいながらも、ものすげぇテクニックで抜いていくというのが売りです」

──宇佐美まいちゃんもS1専属を離れて弾けてきましたね。

「ほんとにやりやすかった。こんな可愛い顔してるのに、ごっくんするのにまったく抵抗ないコです。ぜひ、見て抜いてください」

──数々の名監督を輩出しているワープエンタテインメントの社員監督からキャリアが始まるわけですが、新卒で入ったんですか?

「結果的に大卒後の4月に入ったんですけど、先輩監督たちとは違って求人誌を見て受けたわけではないんです。大学3年から4年にかけて就活をやって会社の説明会を回ったんですけど、アガリ症ということもあってことごとく失敗してたんです。特に就きたい仕事もなく、家で苦しんでたときに、じゃあ好きなことをやろうと開き直りました。自分の好きなことって何だ? ずっと休まないで続けてることってオナニーぐらいだなって」

──ははは。AVがズリネタだったんですか? 「そうです。AVはいっぱい見てたんです。特にアテナ映像の鬼闘光監督が撮っていた『ザ・カメラテスト』のシリーズが好きで、VHSテープを買い漁ってたんです」

──素●面接物ですね。

「面接物は各メーカーにいっぱいあるんですけど、鬼闘監督の作品のリアル感は突出してるんですよね。今でもちょくちょく見てるくらいです。それで、大学4年の夏ぐらいに、まさにアテナ映像に飛び込みでいったんですよ」

──アポも取らずに?

「はい。プロデューサーの方に履歴書渡して帰ってきたんですけど、もちろんそんなあやしい奴に返信をくれるわけもなく、音沙汰なしで終わったんです。秋になっても連絡がなく、ダメだったんだなーって落胆しました。その頃、レンタル店でバイトしてて、客にエキストラ男優、要は汁男優の人がいて、『キミ、AVで働きたいの?』『そうなんですよ』『じゃあオレ、名刺もらってきてあげるよ』って。それが、沢庵監督の名刺だったんです」

──おお、ここでワープとつながるんですね(沢庵監督は6歳上)。

「ごっくん物、ぶっかけ物も好きなのでワープの作品も見てたんです。すぐに電話したら『1回会社に来なよ。でも、女の子にいいことしてほしいからみたいなのが志望理由だったらウチの会社は絶対無理だからね』って。もともと就職口を探してただけなんで、そういう気はなくて、履歴書持ってワープにいったんで、そのまま早々に採用が決定したんです。やったぁ、就職できたぁって」

──合格した理由は、ごっくんが好きとかを熱くアピールしたからですか?

「そうですね。ザーメン物好きだったから、今思えばクソ生意気にも、その頃もう黒澤あらら監督(ザーメン物AVの巨匠)が(ワープを)辞められてたんで『黒澤あららを超えたい』くらいのことをいった記憶があるんです。何か吹かさなきゃダメだなと思って。結果的には、吹いてよかったなって思っています」

──2004年の4月入社になるんですね。当時のワープは、沢庵監督と同期のK*WEST監督がメインですか。

「そうですね」

──で、ワープはどんな若手でも企画書が通れば撮れるんですよね。

「そうなんです。でも最初なかなか通らなかった。監督ごとにテーマはもらっていて、僕はザーメンが好きということでザーメン物。企画を出しても『今までのぶっかけ物と一緒だろ?』って。若手ならではの、もっとエッジの効いたやつ持ってこいよって」

──でも、ごっくんやぶっかけって、そうそうバリエーションがないですよねぇ。

「そんなのオリジナリティっていえるの? とかいわれまして、いろいろ考えて、ぶっかけって20人30人かけても、後半はぐじゃぐじゃに溶けてきて、よくわかんなくなるじゃないですか?」

──5〜6人越えるとあとは同じ景観ですよね。

「そうですそうです。まさにそういうことで、少数ぶっかけみたいな、3〜4人のいい発射のやつを集めてワンコーナーというのはどうですか? って提案したら、社長が『3〜4人って中途半端な数字だな。1になんねぇの? 1発でどうだ?』って」

──さすが、名伯楽として知られる社長ですね。

「それで一撃顔射物の企画が通ったんです」

──その監督デビュー作が『一撃 AOI.』(2004・11・7発売)。キャッチが“大量発射へのアンチテーゼ”という鮮やかなものでした。

「監督4本目で、アテナの『カメラテスト』へ僕なりにオマージュを捧げた『ぶっかけテスト』っていうのを撮ったんです。ワープに面接にきた素●に、『ワープだからぶっかけあるに決まってるよね?』っていって、汁男優が入ってきてぶっかけるというやつを撮りまして、初めていいもの撮れたなって実感できたんです」

──その後、しばらくブランクがあるんですよね?

「2006年にいっぺん辞めて、1年半ガス屋さんをやってるんです。引っ越しするとガスを開通させてくれる人いるじゃないですか。あれをやってたんですよ」

──へえ。結婚をしたなどの理由で?

「結婚を理由にしちゃいましたけど、本当の理由は、監督をしたくなくなった。全部が嫌になったんです。ちょうど沢庵監督がワープを辞めて、K*WEST監督もそろそろ辞めるという話になったとき、自分がワープの専属のコを撮るようになっていて、自分の能力よりもステージが上がっちゃってる感じがすごくて、精神的についていけなくなったんです。現場も嫌いになって、嫌だっていう気持ちがパンクして、普通の仕事をしたいってなっちゃったんです。企画を考えたくない、台本も書きたくない。単純作業、作業着着ていわれたことをやって夕方になれば終わるような仕事がしたいって」

── 一方で結婚もされた。

「嫁に食わせてもらいながら就職先探して、1年半ガス屋をやったんですけど……AVのよさって、離れてみて初めてわかる。AVあるある。辞めた奴が戻ってくるっていう(笑)」

──よく聞く話です。

「まさにそれで、もう寂しくなっちゃって。日曜日にワープの現場にADとして現場を手伝いにいったんです。久しぶりに大人数でぶっかけとごっくんをやるからって。僕が辞めてる間、そういう現場がなくて『誰も仕切り方がわからないから、ちょっと来てくんねぇか?』って。それで、入ったばかりで会ったことのない下のコたちに男優の仕切り方などを教えたりしながらやっていたら『あぁ楽しいな』って。AV楽しいなって思って。みんなでひとつのものを作って、ひと現場ごとに達成感がある。普通の仕事なんて達成感を感じるのは半年に1回とかだよなぁって。で、ワープの社長に頭下げて、もう1回戻してくださいって。『しょうがねぇな』って戻してくれて」

──ワープの社長さんは懐が深いんですね。

「ほんとに、僕はもう神様だと思ってますから」

──でも実績もある有能な人材だったからですよね。

「そう思っていただけたんだとしたらありがたいですけどね。2008年に戻ってきて、戻ったら5年はいようと思っていて、結局6年いましたね」

──それでですね、麒麟監督と仲のいい嵐山みちる監督にインタビューさせてもらったときに、「寝取られから始まる離婚話をぜひ聞いてみて」といわれたのですが。

「(笑)ええ。僕の手持ちのネタで一番面白いのが離婚ネタなんです。まず、嫁は小学校の先生をやってるんですよね」

──えー!? 小学校の女先生の旦那様がAV監督というだけでめずらしい。学校の同僚には知られていました?

「絶対にいうなと(笑)。嫁からも『私の友達関係にあんたの仕事はいうな』って釘を刺されてましたから」

──じゃあ後編は、ぜひ離婚劇の話から聞かせてください!


Profile
麒麟(きりん)
1981年新潟県生まれ。大学4年時の就職活動にことごとく失敗。バイト中に知り合った汁男優を通じてAVメーカー「ワープエンタテインメント」と縁を持ち、大卒後の2004年に入社。ザーメンぶっかけ・ごっくん作品を中心にキャリアを積み、2014年に独立してフリー監督となる。「ごっくん」に飽くなき執着を寄せる鬼才ぶりで、根強いファンを獲得している。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


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