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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第33回 紋℃(前編)
「"AV監督"の響きに惹かれた」
監督

単体女優物を中心に多くのメーカーで撮り続けている紋℃(モンド)監督。毎月7〜8本リリースされているが、「監督名を出してない企画物もあるから、多い月で15〜6本」という。メディアに露出することが少ない紋℃監督ゆえ、多くの人には知られていないが、聞けば、ネットでたまたま見つけた「AV監督募集」から今のAV監督人生が始まったという。

──AV業界に入ったのは何年前ですか?

「11年くらい前です。業界のことは何も知らないし、ユーザーとしてもAVを見ていなかった。普通に女性と触れ合っているのが好きだったので」

──リア充だったと。

「まあそうですね(笑)」

──エロいアイテムに興味は?

「子供の頃は、土手に落ちてたエロ本を拾って、そのお宝を秘密基地に隠したり。じゃあね、と解散したあと、またこっそり戻ってみたり。そのときに鉢合わせた奴とは今でも仲いいです(笑)」

──まず、どういう道に進んだんですか。

「高校を出て、そのあとろくなことしてないんです。自分で会社をやって、お金は稼いでたけど、そのぶん使うような生活です。ですが、若かったんで人に騙されることもあって、借金の肩代わりをすることになってしまって……。26のときですね」

──そこからどうしてAV監督に?

「お金もなくなったし、さて何しようかなと模索して、ネットで自分の進む道を探したんです。器用じゃないから自分で絵を描いたりはできないけど、ものを作る仕事がいいなと考えて、映画が好きだったので映像の業界がいいんじゃないかなと思ったんです。一般物の仕事を探してたけど、年齢制限がギリギリだったりして、いろいろ探していたら、たまたま『AV監督になってみませんか?』って募集しているサイトを見つけたんです」

──迷いはなく飛び込んだんですか?

「そうです。AVか、自分は女好きだしいいかなと。ちょっとAV監督って響きもいいなって。それで面接を受けるために、サイトの履歴書フォームに必要事項を記入して応募したんです。ちょっとウソも書きましたけど」

──たとえばどんなウソを?

「正直に書いたらダメだと思ったので、就職歴とかでちょっとウソつきました。でも、この書類の段階ですでに怪しい奴だと思われていて、会社としては面接するつもりはなかったらしいんです。それがたまたまこの業界のスチールカメラマンが『そういう人ほど会ってみたほうがいいんじゃない?』っていってくれたそうなんですよ」

──それで、南★波王監督が1年先輩にいる、メーカー下請けの制作会社「プラスワン」に入社されたんですね。当時、監督はほかに誰がいました?

「FLAGMAN、KINGDOM、TAKE4ですね。とりあえずこの業界に入ったけど、非常に厳しい戦いを強いられました。制作をやって現場でも助監督やって、ひたすら体を酷使する毎日で」

──新人は雑用全般ですよねー。

「わがままだらけなんですね、監督たちは。『この男優じゃダメだ』っていうけど、僕がキャスティングできる人はその男優さんしかいないんですよ。それで新しい男優を呼びますと答えると、『おマエ、ほかの男優知ってんの?』と詰めてくる。知ってるわけねーだろって。入ってまだ1ヶ月の新人なのに」

──そもそもプラスワンがAV監督を募集していたのは欠員が出たから?

「みんな続かないんですよ、理不尽なことばかりあるので。誰かがやめるたびに募集するんですけど、僕のあとに入ったひとは1人も残らなかった、みんなすぐ辞めました」

──引き継ぎもせずに急にやめられて困ったでしょう?

「そう、監督になってからも社内の掃除、洗濯、男優やスタッフの手配も自分でやってたから24時間フル稼働。会社にずっと半年くらい泊まってました。疲れすぎていたせいだと思いますけど、あるとき夜中3時頃に夢遊病者状態でパンツ一丁でコンビニにいっちゃったんです。ドリンクの棚のドアを開けてペットボトルを手にした瞬間に我に返って、これはヤバイと」

──不審者どころの騒ぎではないですね。

「ですよ。しかもパンツ一丁で鍵を持ってなかったからマンションのオートロックのドアを押しても開けられない。ケータイもない、お金もない。下に駐めてある会社のハイエースの脇で小さくなって、助監督が来るのを待つしかなかったです。秋口だからまだよかった」

──帰る場所はなかったんですか?

「当時は彼女の家に転がり込んでたんだけど、僕がAV出てるのバレちゃった。AV監督なのは知ってたんですけど、僕1人でやらなくちゃならない現場で、現スチ(現場のスチール写真)も撮る、ハメ撮りもする、その素材をうっかりそのまま置いて寝ちゃったんです。それを彼女が見ちゃって。朝、不機嫌になっているから、『男優がいなくてやむをえず自分でやった』っていったら、そこからわだかまりができました」

──それで会社に泊まり込みの毎日になったわけですか。

「いく所がなくなってしまったという理由と、忙しかったので帰れないというのも理由ですね。会社で仕事漬けでした。日中は手配の電話がひっきりなしに鳴るんで、撮った素材の編集作業や台本書く作業は夜中にやるしかないんです」

──初監督はいつ頃ですか?

「会社に入って3〜4ヶ月ぐらい。隠し撮りの作品でした。1人しかいない現場で、チ●ポまで担当。監督名も出してないし、メーカーも憶えてないくらいです」

──監督の名前は2007年にE-BODYが発足した頃からよく目にするようになりました。

「ですね。E-BODY立ち上げから南(★波王)さんと撮り始めました」

──そこからいろんなメーカーで撮るようになるわけですよね。特に単体女優物。

「単体物を多く撮っていた会社だったので、気づいたらそういう流れになってましたね」

──監督になっていわゆるメシが食えるようになったのはどれくらい経ってからですか?

「3年くらいプラスワンにいて、僕と南さんが2人で制作会社を作ったのが8年くらい前のことです。そこで僕は役員だったので、ある程度まとまったお金が入るようになって、借金は結婚する直前にやっと完済したんです。31歳のときです」

──で、2年前に独立して現在の自分の会社設立に至る。

「1年目はひたすら撮り続けました。死ぬ気でやってました」

──月に監督作品が7〜8本の売れっ子。完全にオフの日はないのでは?

「ほぼないですね。家族には申し訳ない状態です。子供もいますんで」

──トップ単体女優を撮っておられますが、カラミの演出に際して思うところをうかがいたいです。

「E-BODYで撮り始めたとき、どうやったら自分がエロいなと思ったものを表現できるのか、すごく悩みました。男と女どっちかが攻めてるだけでも面白くない。攻められ続けるだけでも面白くない。だから、お互いがやり合うっていうのが一番エロいんじゃないかというのが、ひとつの到達点でした」

──なるほど。紋℃作品のカラミの構図のひとつですよね。

「自分が気持ちよくなったらそれを相手に返すみたいな。お互いが向き合ってやるエッチが一番エロいなと思うので。でも、メーカーさんから発注を受けるとき、よくいわれるんですが、デビュー作のときはあんまりエロくしないでくれっていわれることが多いんです」

──AVなのにエロくするなと。

「そういわれると戸惑うんですよね。『モンドさん、これはやりすぎですね』っていわれることがあって。そのせいなのか、デビュー監督じゃなく2本目監督を任されることが多いんですよ。今はデビュー作も多く撮らせてもらうようになりましたが、デビュー作が売れた女優さんのは『2本目の数字が下がらないようにエロく変えてくれ』みたいな注文をされますね」

──メーカー専属単体の2作目って大事なんですね。

「監督としては損な役回りなんですよね。デビュー作のほうが(新鮮だから)売れるじゃないですか」

──でも、監督として信頼されていることの証ですよね。

「エロいのをきっちり撮ると思われているという意味では、認められてるのかなと思う。ありがたいことだと思っています」

──今月、スカパー!アダルトのチェリーボムHDで紋℃監督の『紗倉まな×松岡ちな Wキャスト 姉妹ラブラブ近●相姦』(SODクリエイト)がオンエアされるのでひとことお願いします。

「これは名作ですよ。まなちゃんとちなちゃんの関係がすごくいい感じに撮れてます。好きなお兄ちゃんに対しての愛情表現が、ちなちゃんは末っ子で『お兄ちゃんお兄ちゃん』て甘える、まなちゃんは一歩引いた感じで見ているけど、お兄ちゃんのことが大好き。2人の心情のかけひきを演出したところ、非常にうまくやってくれるコたちでした。演じているというより素でやっている感じがよかった」

──このSOD専属コンビは仲がいい?

「ちなちゃんがまなちゃんのことをすごく好きなんですよ。そういうところもいい仕上がりの理由です。素敵な作品になってます」

──わかりました。あと『【特別編集】噂の貧乳美女の胸チラを指摘して、赤面させてヤるスペシャル』(S級素人)も放送されます。ノンクレジットだけど、女優は阿部乃みくですね。

「すごく仕事のできる女優さんでした。現場にオレいらないいんじゃない? と思ったほど。台本の流れを理解してちゃんとやってくれました」

──では、後編は、もっと詳しく演出に関してうかがいたいと思います。


Profile
紋℃(もんど)
1978年東京都生まれ。高校卒業後、会社経営などを手掛けるも26歳で多額の負債を背負う。AV制作会社「プラスワン」に入社して修行し、3年後に同社の先輩だった南★波王とともに制作会社を設立。2014年に自らが代表を務める制作会社を起こし、多くの単体女優作品などの監督を手掛ける。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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