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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第32回 沢庵(後編)
「1割はやりたいことをやっちゃう」
監督

──ユーザーとして昔からAVは見ていたんですか?

「はい。やっぱりシネマジックとかアートのSM系、V&Rの凌辱物、さくら企画も大好きです。とにかく素●っぽいのが好きなんですよ」

──沢庵監督は以前「AVを見ながらオナニーしていてもアイデアがひらめいたらメモを取る」と「職業病」発言をされていました。

「いまだにそうです(笑)。素●物で偶然撮れているような行為とかシチュエーションとか、僕らみたいな設定作って撮っている人間が思いつかないようなこととか、当たり前すぎて気づかないこととか、そういうのを見つけたらメモします。何かのときに使おうって」

──得意の凌辱物であろうと、女の子売りの単体物であろうと、沢庵監督が自分でも興奮して、必ず狙う画というのはありますか?

「凌辱物にも単体物にも共通しているフェチがあって、それは涙なんです。涙フェチなんですよ」

──ほほう。涙の醍醐味を聞かせてください。

「女の人って嘘つけるじゃないですか、気持ちいいふりしたり。男は勃起しなきゃいけないし射精しなきゃいけない。形として見せなきゃいけない。涙っていうものも、本当であっても嘘であっても形じゃないですか、そこにリアルなものを感じるんです」

──僕が女性の汗に興奮するのに似ていますね。

「女優さんには『泣けるなら泣いてくれ』って指示はします、特に凌辱のときは。ハードなことができない単体女優さんを撮るときは、『別のこと考えててもいいから』って。涙さえものにできりゃこっちのもんだみたいなのがありますね」

──まさに、涙フェチの所業ですね!

「泣き顔とお尻とをやたら長く撮っていると思うんです」

──あ。尻ショット多い、確かに!

「おっぱいよりお尻のほうが好きかもしれないです」

──カメラマンに対して、このアングルは譲れないみたいなのは?

「ありますね。自分でもカメラを回すことがあって、自分でしか狙えないアングルを撮ろうとするんですけど、男優さんが気を使って立ちバックで片足上げるやつあるじゃないですか」

──われわれユーザーに、結合部と女の子のカラダを見えやすくね。

「あれが嫌いなんスよ」

──わかる!

「そんなことしなくていいから、オレが真下にいくからって。嘘くさく映る配慮はいらない」

──フェラのとき不自然なまでに女優の髪を押さえて顔を見せようとしたり?

「はい。そういう場合は編集で切りますね」

──S1、アイデアポケット、マキシングなどで人気専属女優とも仕事をされていますが、ワープの社員監督時代と勝手が違って戸惑うことなどは?

「社員としてAVメーカーにいた者の強みとしては、メーカーのプロデューサーが何を意図して、何を求めているかがわかるというか、それは非常に今でも役に立ってるなと思います。あと、若いプロデューサーさんは、無理難題な発注をしてくることがあるんですけど、そういうときでも、形(作品)を作れる。プロデューサー側の立場も考えながら、自分が作りたいものとユーザーが見たいものとのバランスを考えて対処できてると思うんですよ」

──なるほど。仕事の来る監督ってこうなんだなと思いますね。でも、現場を仕切って作品を完成させるのは沢庵監督です。プロデューサーから内容的に理不尽な発注がきた場合、具体的にどうやって対処するんですか?

「昔、自分がメーカーにいた頃に先輩のプロデューサーからいわれたのは、社員じゃない外注の監督さんを使うときには、9割を注文して、1割は監督のやりたいことをやらせると。すると向こうはやる気を出すみたいなことをいっていたんです。それが今もずっと頭にあって、無理難題をいわれたら、9割は素直に聞いて、1割は自分のやりたいことをやっちゃうようにしています。『自分が今後やりたいことの実験的な要素を入れよう』とか『前からやりたかったこのネタ使おう』とか」

──オナニーの最中にひらめいたネタ帳のなかのものを使うわけですね。

「そうなんです。意外と追い詰められるといいものができたりする傾向があるんで」

──開き直って制約を逆手にとることで、意外な傑作になったりするんですね。

「『何でもやっていいよ』ではなく『コレとコレとコレで何か作ってくれ』という注文が多いんですが、コレで料理? この食材で? ていう場合があります。でも、意外とこの調味料で作ったら、わっ! すごくいい! みたいな。思いがけずいい食い合わせのものを発見できたりしますね」

──たとえば、そうやってできた最近のおすすめ作品は?

「ムーディーズから出た『妻からの寝取られ実況ビデオレター かすみ果穂』ですね。企画を聞いた段階で、ビデオレターって古いなってまず思ったんですよ(笑)。ケータイで撮ってそのまま画像送れる時代に」

──テレビ電話の時代ですからね。

「ビデオレターを撮って、それを単身赴任の旦那に送る必要があるのかという疑問。そこが葛藤でしたよね。僕はシリーズ物の3本目を撮ったんですけど、前の2本を好きな人からは評判悪いんです」

──だいたいそういうもんですね(笑)。

「前の2本のサンプル動画は見ましたけど、それを踏襲する気はなかったです。プロデューサーからいわれたものを、自分の世界観で撮ろうという気持ちですね。だから、ビデオレターだけじゃなく、ケータイの縦サイズの動画も入れたんです。メリハリがつくし、横長の画像にケータイの縦のサイズってリアルだなということを発見できましたね」

──好みのタイプの女性とか女優さんはいますか。

「『男にも女にも凌●されて喜ぶドMメス豚の痴態 香山美桜(1)(2)』(h.m.p)にも出てくれた千乃あずみちゃんは好きです。彼女は何がいいのかっていうと、僕のことを『Sではない』っていうんですよね。それは非常に嬉しいんですよ。香山(美桜)ちゃんと千乃ちゃんが真咲南朋さん(バックナンバー参照)の作品で共演したことがあって、そこで僕の話になったそうなんです。香山さんが『あの人はドSだ』っていうと、千乃ちゃんは『ちがうよあの人』って」

──Sではないといわれるのがどうして嬉しいんですか?

「作品を撮っていると、自分自身が『完全に転がされてるなこれは』っていう局面がありますから」

──実はこのコにいいように勃起させられてるじゃないかオレ、みたいな?

「そうそう」

──凌辱物を好んで撮るけれどドSではないと。じゃあ実際のところの性癖は?

「実際は、昼いじられて、夜仕返しするってタイプですね(笑)」

──ははは。監督と話していると、何かそんな感じです。

「千乃ちゃんはそこにあてはまりそうだなということで、素敵な女性だと思えるんですよね」

──納得です。現在、月4〜6本ペースで撮っておられますが、今後新たなメーカーへの進出などは?。

「予定としてあります」

──では今後も注目し続けます。本日はどうもありがとうございました。

「ありがとうございました。楽しかったです」


Profile
沢庵(たくあん)
1975年千葉県生まれ。大学卒業後、AVメーカーのワープエンタテインメント入社。2006年に退社してフリーに。代表作「脅●スイートルーム」シリーズの特別編として製作された「小向美奈子in 脅●スイートルーム」は、AV OPEN2015のSM・ハード部門においてグランプリに、配信売上部門では2位に輝いた。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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