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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第28回 梁井一(後編)
「異物挿入自慰にふけった中学時代」
監督

──SODクリエイトとハマジムでは、作品づくりにおけるシステムはかなり違いますか?

「ハマジムは始まりから終わりまでノーチェックなんですよ。一応、予算はもらうんでプロデューサーと話はするんですけど、キャスティングとか、どんな企画なのか、くらいのことです。なので、出来上がったものの責任がすべて自分にある。これはこれでシビアな世界です。SODにいた頃の、企画書チェックから始まる手続きの多さもめんどくさい世界だけど、ハマジムに入社してすぐに、こっちも厳しいなっていうことに気づきました」

──売れるものを撮れよ、などはいわれるんですか?

「いわれません」

──数字を気にしないで撮れるというのは羨ましい環境ですよね。

「最初の女優のチョイスだけは、しっかり話し合います。ディレクターが撮りたいというのが第一だけど、それが(商品として通用する)パッケージになるかどうか」

──ハマジム作品は旬な企画単体の女優を基本押さえていますよね。でも、自分のカラーを出して好きにハメ撮りができる。よその監督からは、いい環境だねといわれません?

「よそからいわれますね。だから頑張りたいですね」

──今まで壁にブチ当たったことなどは?

「撮影してるときは思わないんです。できることを一生懸命やってるので。でも、2〜3年前ですかね、単純に『女が撮れてねぇな』って思いました」

──撮り終わった素材を見て、自分でキャスティングした女優のよさを撮りきれていないと?

「そうです。それとは別に、自分が変われたきっかけになったのは“テレキャノ"かな」

──『テレクラキャノンボール2013 賞品は神谷まゆと新山かえで』。あれに関われたことはデカいですか?

「デカいですね。(カンパニー)松尾さんの撮影しているところを目の当たりにできるじゃないですか。10時間の作品を通して見て一番衝撃を受けたのは、『ここまで描くのか!?』ってこと。監督6人の1週間分のすごい量の素材を松尾さんが全部見て、細かいエピソードを全部拾い上げて積み重ねて、ほんとすごい作業。『ここまでやるんだ!?』って。オレもここまでやんなきゃなって」

──ハマジムで監督業を始めるにあたっては、カンパニー松尾作品をあらためて見たりしました?

「見ました。監督としての観点で撮影、編集を意識して見ると、やっぱり単純に何から何まで巧いなって思いました」

──同じ会社の監督という同じ位置に立って、松尾作品と自分の作品を比べて思うことは?

「女優との距離感などですね。松尾さんは正面から向かい合うけど、僕は隣に座っているって感じ。絵ヅラも実際そうなってるなっていうのに気づきました。あと松尾さんのは、よかったなと思う女の子への肯定の仕方って、余韻としてすごくあるじゃないですか」

──キミのためにこの曲をエンディングのテーマとして用意したよ、みたいな終わり方ね。

「僕は女の子に対して否定もしないけど、あまり肯定もしない奴だなって、最近になって気づいたんです」

──なるほど。女優がこの作品を見てくれるっていうのを意識して編集したりは?

「ないですね。女優さんに対して、そこまで気持ちは高ぶらないんです。突き放しちゃっている感じはあります。仲良く映ってはいるんですけど。そこが自分のカラーかもしれないですね」

──でも、ずっとドキュメント物を撮り続けているということは、AV女優が好きだから?

「やっぱりAV女優って面白いんですよ。どうしてこの仕事を選んだの? という興味が大前提としてあって、それを突き詰めたくなるんです」

──カンパニー松尾やタートル今田のように、女優に惚れてしまったなんてことはない?

「それは、いくらかはあります(笑)」

──どんな女の子が好き?

「活発な女の子が好きですね。今も昔も、元気な女が好きです」

──自分が振り回されるくらい?

「それくらいのほうがいい。女との関係はそうありたいって思ってます」

──今月スカパー!アダルトで放送される『AV女優の裏側リポート かたりたがーる 青山未来』で、未来ちゃんが「朝ごはん食べたい」ってゴネて、監督がしょうがなく車を出して、朝からレストランにつき合うくだりがあるじゃないですか。ああいう振り回され方?

「ああいうの好きです(笑)」

──いっぽうでニューハーフ物も撮るし、女装子(じょそこ)とも男の娘(こ)ともいわれるスターの大島薫クンで撮った『ボクは男の子ですけど、こんなカラダでも興奮してもらえますか? 大島薫』でアナルSEXしてますよね。こっちのほうのめざめは?

「21歳ぐらいのときに、タイのバンコクで女と遊ぼうとしたら、それが男だったんです。でも全然ひるむことはなかったです」

──もともとアナルには抵抗がなかった?

「中学校に入った頃にアナル経験があって、陸上部の先輩から『ケツに指入れてオナニーしてみろ、すげー気持ちいいぞ』っていわれて、家帰って自分で指入れて、アナルオナニーを覚えたんです」

──中1のときに自分でGスポットを刺激してたってこと?

「そうなんですよ。異物挿入もしちゃってましたからね。自転車の後輪につける2人乗り用のハブステップをケツの穴に入れて」

──すごいなぁー。

「その流れで、ニューハーフとか、チ●ポがついてるエロ物に興味を持って、ゲイ雑誌もちょこっと見るようになりましたね」

──大島薫クンとのカラミも合点がいきました。でも、オナニーのおかずのメインは、カンパニー松尾のハメ撮り作品だったわけじゃないですか。要はどういうものに興奮するんですか?

「ハメ撮りはまず好きですね。雑誌の付録についてるDVDの、編集者がやってるハメ撮りの猥雑な感じも好きです」

──プロの監督じゃなく、普通のおじさんが女の子にハアハアいって勃起している世界。

「そうです。女の下半身が好きなので、下半身隠し撮り物もズリネタですね。アロマ企画が昔やってた『東京ヒップライン』。延々と女の子が町を歩いてるやつ、あれでオナニーしまくってましたね」

──後ろ姿の下半身だけ撮ってるやつね。

「だからオナニーって、自分勝手に抜けるとこ探してやるものなので、最近のユーザーさんの要望の多さは理解できない部分があるんですよ。『発射のタイミングを合わせたい』みたいにいわれると」

──通してAVを見て抜けるタイミングをはかれよと(笑)。

「自分がそうですから。だって、現場ではそんなオナニーのサポートまで考えないですよ。どれだけこのコがエロくなってくれるか、しか考えないです」

──でしょうねぇ。「女を撮れていない」とおっしゃいましたが、『AV女優の裏側リポート かたりたがーる 青山未来』はじゅうぶん青山未来の魅力が伝わってきたし、このシリーズは梁井監督ならではのタッチですよ。前作の『AV女優の裏側リポート かたりたがーる 長谷川リホ』も。

「現場でトラブッた問題作(苦笑)」

──当シリーズ、2作連続ヘビーな内容なのに、口当たりのよさは梁井監督のスタンスならではですよ。第3弾の上原亜衣編も楽しみです。

「松尾さんは巨乳やパンストが好きとか、(タートル)今田さんは優しく面倒見てくれる熟女が好きとか、はっきりしたものがあって作品に出てるけど、僕はそういう部分が薄いので、好きでキャスティングした女優の魅力を出せるように、成長したいなと思ってます」

──今日はありがとうございました!


Profile
梁井一(やないはじめ)
1983年生まれ。カンパニー松尾作品ばかりでオナニーする少年時代を送り、大卒後、SODクリエイトに入社。監督した異色作品「大塚咲『ウチの嫁さんはAV女優です。』」をきっかけに、カンパニー松尾監督の目にとまり、ハマジムへ移籍。現在は、同社の若手ホープとして期待を集めている。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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