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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第23回 溜池ゴロー(前編)
「最初はイヤだった『溜池ゴロー』」
監督

昔むかし熟女AVといえばオバチャンが出演するキワモノ的な企画物作品群を指したものだったが、それを単体女優花盛りのメジャーなジャンルへと変えた男がいる。監督名=メーカー名にまでなった溜池ゴローだ。彼と、熟女AV女優第1号となる川奈まり子との運命的な出会いがなければ、熟女AVはいまだ夜明け前だったかもしれないのだ。

──どうもお久しぶりです。溜池ゴロー監督は、TOHJIRO監督の助監督からこの業界のキャリアをスタートさせたわけですが、2人の出会いのきっかけから聞かせてください。

「僕もTOHJIROと同じく自主映画をやっていて、大学時代に撮った8ミリ映画が賞を取ったりして、一生映像に関わって生きていこうと決めて就職活動をしなかったんです。好き勝手に映像を撮らせてもらってお金をもらえる会社があったら就職していたけど、そんな会社はない。就職しないかわりにバイトもしない、映像以外の仕事はしないぞと自分に課したんです」

──卒業したのが1986年。バブル景気到来の時代ですね。

「就職しなかったから横浜の実家にもいづらくて、友達の家を泊まり歩く生活を2年ぐらい続けたんです。共通の知人がいたのがきっかけで、TOHJIROになる前の伊藤智生さんと会ったのが23歳のとき。あの頃から威圧感のある人で、大学出たばかりのガキの目には強烈でしたね。『君はどんな映画を撮ったの?』ってあの声でいわれただけでビビってしまって(笑)」

──自主映画つながりの出会いなんですね。伊藤智生は、5000万円の借金をして『ゴンドラ』を撮りました(詳細は当連載のTOHJIRO監督インタビューの前編参照)。

「伊藤さんに頼まれて『ゴンドラ』の宣伝を手伝うことになって、ようやくテアトル新宿での一般公開にこぎつけたんです。ですが、伊藤さんのお金が回らなくなってしまい、『このままでは事務所を維持できない、何か仕事をしなくちゃ。手伝ってくれないか』ってなったんです。そのとき一緒に『ゴンドラ』の宣伝を手伝っていた人が、たまたまV&Rプランニングでバイトしてたんです。そこから紹介してもらったのが、社員監督でありラインプロデューサーのカンパニー松尾君なんですよね」

──それが縁で、V&RからTOHJIRO監督のAVデビュー作『ブルーフィルム』が生まれたんですね。

「一緒に台本書こうよといわれて台本から関わったんです。で、女優は誰がいいかなっていう話になったとき、テレビでたまたま『11PM』をやっていて、そこに冴島奈緒が出てたんです。このコいいんじゃないスか!? って僕がいったのがきっかけで決まったんですよね」

──へえ、『11PM』でたまたま見つけたから冴島奈緒をキャスティングしたとは初めて知った! で、助監督として現場に出るわけですね。

「不眠不休の4日間だったけど、すごく楽しかった。撮影の前だったのか後だったのかは忘れたんですけど、カラミ(濡れ場)の編集をしなければならないから、僕とTOHJIROがV&Rに編集のやり方を習いにいこうってなったんです」

──2人とも何も知らなかったんですねー。

「そうです。赤坂の編集スタジオで松尾君がちょうど林由美香の『硬式ペナス』の編集をしているところにお邪魔したんです」

──おお、数少ないカンパニー松尾の単体物の名作だ。

「TOHJIROになる前の伊藤智生さんが、溜池ゴローになる前の僕に『教えてもらいなよ』というと、わかりました、と松尾君が『ねえ山下君、教えてあげて』って」

──バクシーシ山下になる前の助監督の山下君ですか! のちに日本のAV界を席巻することになるとは知らない4人がこの日ここに同時にいたんですねぇ。

「編集作業に必要なシート表の書き方を山下君に教わって、TOHJIROのAVを10本くらい手伝って、僕は一般作品の助監督をやるようになったんです」

──その仕事はどういうルートで?

「僕の内縁の妻となる人が、知り合いに映画の助監督がいるというので紹介してもらったんです」

──最初の奥さんですね。

「その縁で、時代劇の現場をやるようになったんです。千葉真一主演の『徳川無頼帳』(日本テレビ)。そこからいろいろやりましたね。フジテレビの番組で助監督1人だけでコスタリカにいってボロボロになったり、みんなが断る仕事をあえてやってたんです。みんなが就職活動するときにしなかったし、みんなとは逆にいったほうがいいということで」

──そういう性分だったんですね。

「ドラマの現場でチーフ助監督が責任逃れをすると、僕がスター俳優さんに土下座して謝るんですよ。そしたら、次の現場でその俳優さんからすごく信頼されるんです」

──そんな助監督の日々はどれくらい?

「25歳から29歳まで5年くらいです。仕事ができるようになってきて、収入もよくなって、ようやくチーフ助監督をやってくれといわれるようになったんですけど、でも、この頃にはやめようと思っていたんです。周りの先輩たちを見ているうちに、このままの立場に安住するようになったら、自分もいずれ映像を作り出す意欲をもてなくなるんじゃないかって思ったんです。監督をやって演出の勉強をしなきゃと。で、ちょうどその頃、伊藤智生さんがすっかりTOHJIROというAV界の巨匠になっていた。ビデ倫界のエース監督ですよ」

──そうか。AV業界に関しては浦島太郎状態だったんですね。

「そうです。それでTOHJIROに連絡して『僕も監督になりたいんです』っていったら、若い監督を探しているプロデューサーがいるらしいと。そういう経緯で、MAX-Aのプロデューサーの綿貫さんを紹介してもらったんですね」

──まさに仕事は人でつながっていくんですね。

「最初はまたTOHJIROの助監督から始めました。そこで、加藤鷹さんという素晴らしい男優と出会ったんです。年が開けて3月には30歳になるというときに、鷹さんが『今年監督やるの? オレが名前つけてやるよ』って、OM(オム=TOHJIRO の制作会社)が(港区の)溜池にあったんで『溜池ゴロー』。聞いた瞬間は、イヤですよそんなヘンな名前って(笑)。それで、5月か6月に水沢早紀の『プリティ・デビル 痺れた果実』(MAX-A)を撮って監督デビューとなりました」

──そこからの快進撃は後半にうかがいましょう。今月、スカパー!アダルトでは監督の『白石茉莉奈 人妻緊縛性奴隷』(SODクリエイト)が放送されるんですよ。これについてひとことお願いします。

「見どころはひとつ。白石茉莉奈の肉です!」

──あの素晴らしいウォーターベッドを思わせる肉体。

「そう、ウォーターベッドのようなね。仲のいい夫婦だったのが、夫は騙されて借金を抱え、奥さんは悪い連中から『チャラにするから好きにさせろ』と緊縛されるんです。ボンレスハムのように肉が縄からハミ出る。白石茉莉奈の素晴らしい肉体を堪能していただきたい! 僕はね、街を歩いていて女性のブラの脇からはみ出る肉、あれを見た瞬間に欲情しますからね」

──SODクリエイトの社外取締役になったおかげで、茉莉奈ちゃんを撮れてよかったですねー(笑)。

「そうです! いやほんと、恵まれてるなーと思いますわ(笑)。2006年に熟女系AVメーカー・溜池ゴロー設立のために一度はSODクリエイトから離れたのに、社外取締役として呼んでもらったんです」

──では、いかにして溜池ゴローが熟女界の巨匠となり今日にいたるのか、後半たっぷりうかがいます。


Profile
溜池ゴロー(ためいけごろー)
1964年生まれ。大卒後、TOHJIRO監督のAV作品やテレビ作品の制作に携わる。1994年、MAX-Aで監督デビュー。1999年に、ソフト・オン・デマンドで現夫人の川奈まり子主演『義母~まり子34歳~』を監督し、大ヒットを飛ばす。2006年、自身の名を冠したAVメーカー・溜池ゴローを設立。現在は、SODクリエイト社外取締役として後進の育成にも力を注ぐ。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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