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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第22回 ヘイキチロウ(後編)
「弟目線で女優を見るのが性に合う」
監督

──h.m.pの面接はやはり笠井(同社の名物プロデューサー)さんが?

「そうです。うわー怖そう、無理だぁ、と思ったんですけど(笑)、『ほんなら、よろしく』って、受かっちゃったんです」

──どんな会話があったんですか?

「好きなAV女優は? とか聞かれました」

──合格したポイントはどこだったんですかね。

「普通だったからでしょうね。それまで当社はドギツい人とかちょっとアブないことしてそうな人が多かったみたいで(笑)、だから普通の人を求めてたんだと思います。天才とかヘンな才能の人材を求めてる時期だったら落とされたと思います。タイミングがよかったんです」

──当時の社員監督は誰がいましたっけ?

「藪光さん、極ノ介さん、あと緑茶丸さんですね。それと外注の監督さん」

──初めてADとしてついた現場は?

「竹内あいちゃんのデビュー作が初現場でした。やっぱ衝撃的でしたね。アッと思いましたね。エロかったし、こんな綺麗な人を間近で見られるんだ、スゲーなーって思いました」

──はじまりが竹内あいだとそうでしょうね。現場は厳しかった?

「ウチの外注の技術スタッフがみんな優しいんで驚きました。前にいた環境が激しかっただけに。(カメラの)ケーブルをさばいているときにペシペシ音をたてちゃっても、(優しい口調で)『ダメだよ』って。なんだこのゆるさは!? みたいな」

──へえ。"擬似"(男優の緊急事態に備えたニセ精液)の作り方もその現場で教わって?

「教えてもらいました。コーラを1滴混ぜるとそれっぽくなるって。あと、AD時代はモデルさんの(精液がかかった)顔を拭くっていうのに萌えましたね。思い出しました、竹内あいちゃんのおっぱいを最初拭いたんです。先輩(AD)から『拭いちゃって』っていわれて、拭いていいんスか!? て」

──ハハハ。わかるわかる。

「えっいきなりオレ拭くんスか? って。先輩はニヤニヤしながら見てるし、あいちゃんもキョトーンとして。恥ずかしいからできるだけ早くシャカシャカってザーメン拭き取りました」

「萌えましたね(笑)。最初の頃はできるだけティッシュを厚くして僕の手の感触が伝わらないようにやってました。嫌われたくないから。でも、堂々とやってあげたほうが女の子はラクなんだって、後から気づきました」

──ADの期間はどのくらい?

「けっこう短かったんです。それまでウチはADから監督になるまで長かったんですけど、当時の事情で2008年に監督になりました」

──いやほんと、前の職場と違って恵まれてますね。朝、現場いきたくない、バックれようと思ったこともなく?

「そういうのは、監督になってからですね。台本書いて編集までの段取りをし始めたときに、コレやばいなっていう気持ちになります。うまく撮れなかったらどうしよう、失敗したらどうしようって。あと、晴れますように、って神社にお参りすることも」

──監督になって、挫折したことは?

「ありましたね。どんないい台本を書こうがいいスタッフを使おうが、思ったようなものは撮れないんだなってすごく感じますね。女の子の良さを引き出すっていうのは難しいです」

──専属のコの2作目を撮るときに、デビュー作を撮った嵐山みちる監督に「あのコどうだった?」とかは?

「あー、聞かないですね(笑)」

──意地でも聞かないとか?(笑)

「聞いても、アプローチが違うから参考にならないと思うので」

──入社時の面接で好きなAV女優を聞かれたんですよね。誰なんですか?

「黒沢愛さんが一番好きで、あと、古都ひかる。ファンだったのはこの2人ですね」

──どういうところに惹かれたんでしょう?

「黒沢愛さんは唇がぽってりしてるとこが好きだし、あと、幼い頃から近所にお姉さんばっかりいたので、僕はシスコン資質なんです。10歳くらい上のお姉ちゃんタイプの人が好きでした。僕が5歳のときは15歳、10歳だったら20歳の。可愛がってもらったんですよね。同級生の恋人目線じゃなくて、弟目線でモデルさんを見たいんです」

──自分が葉山めいの弟だったら嬉しいですか?

「そう思うときもありますけど、一方では妹タイプも好きなんです。俺がこのモデルさんの兄貴だったら……というイメージもいだくことがあります」

──女性のパーツでいうとぽってりした唇と、ほかにはどこが好き?

「舌が綺麗なコが好きです。舐めるのが上手いコ。あと手コキが好きなので、手が綺麗なコが好きですね」

──女の子の衣装は監督が選ぶ?

「はい。白ワンピ(ース)好きなんですよ。もはやコスプレじゃないですか白ワンピ。AVだけにしか存在しない幻想の美少女を、しっかり丁寧に撮りたいんです」

──白ワンピは男の夢とはいえ、町ではまったく見かけないですからね。

「いたらギョッとしますよ。麦わら(帽子)と白ワンピ。この会社の伝統で、ADが衣装も下着も買いにいくんですけど、今も僕が買いにいきます。趣味と違う物を買ってきたら嫌ですからね。センスのある女性スタッフに買ってきてもらっても、AVには『展開』ってものがあるじゃないですか。センスいい人が買うものって、脱がせづらかったりするんですよ」

──そうか。脱がせやすさも大事。

「デビュー作の最初のカラミは、第一ボタンを外すとこの恥じらいが大事じゃないですか。最近は恥ずかしがらないコも増えたけど。僕が悪いんですが、脱がしにくいボタンのとき、男優さんが手間取るとカメラマンがカットしてつなげるんだと解釈してズームしちゃうんですよ」

──どんなにボタン外しに手間取っても、そこはリアルタイムで見せたい?

「そう。ワンカットで見せたい。カメラマンに、すいませんここもう一回やっていいですかって、必ず撮ってもらってます」

──あと好きなプレイでよくやってもらうのは?

「乳首舐めは大好きなんですよね。アホみたいに女の子にやってもらってます。だから凌辱系の作品はできないんです僕。やる場合は男優さんにおまかせですね。レ●プなんてどうやってやるの? って思う。モデルさんは僕にとってはお姉ちゃんだったり妹だったりする感覚なんで、彼女たちがお尻を叩かれても僕は興奮しないんです。彼女たちが叩くほうならいいんですけど」

──今後、出会いたい理想の女優さんとは?

「究極のお姉ちゃんみたいな人。感性が妹みたいな感じで、ちやほやしてくれて僕だけ贔屓してくれる人みたいな(笑)。カラミは男優さんにまかせるけど、常に僕のことを気にしてくれるみたいな。そういう関係性が築ければいいですね」

──これからも、旧ビデ倫系メーカーならではの正統派単体作品に期待しています。ありがとうございました!


Profile
ヘイキチロウ(へいきちろう)
1985年生まれ。映画の専門学校を卒後、テレビの制作会社に入社。過酷で理不尽過ぎる労働環境に耐えかねて、2006年にh.m.pのADとして転職。2008年に監督デビュー。美少女単体メーカーならではの丁寧な画作りと、「ユーザー代表」目線の作品で知られる。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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