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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第20回 野本義明(後編)
「1人の女の子をじっくり追いたい」
監督

──大学時代から熟女物のAVを見ていたんですか?

「熟女物ばかりレンタルしてました。熟女の不倫旅行物が大好き過ぎて、『旅行』って文字を探してましたね。前半の電車の中でのインタビューを聞いて、こんな奥さんなんだぁ、いいなぁって思いながら。旅行物は女の子の素が出るんですよね。そういう、自然体を見たいというのは昔から変わらないです」

──それを聞くと、最近見た『「寝取られ願望」 愛する妻が目の前の他人チ●ポに戸惑い! 欲情! 真正中出し!! 自慢の妻をハダカで男湯へ3』もまさに野本ワールドだなと思います。「熟女」と並んで「寝取られ」も好きなんですよね。

「性癖がそうなんです。もともと寝取られ願望が強くて」

──ちなみに、今あげた温泉寝取られ劇はいつ頃考えたネタですか?

「あれも学生時代からずっと考えてたやつです」

──すげーなー(笑)。

「つき合っていた彼女がもしかして浮気してるんじゃないかとか、妄想したりよくしてましたね」

──その性癖は何がきっかけなんですかね。

「わかんないんです。何でこんなのにオレ興奮するんだろって不思議でしょうがなくて」

──「寝取られ」という言葉は当時一般的じゃなかったですよね。

「聞いたことなかった。SODに入って初めて『寝取られ』って単語聞いて、『オレはこれだ!』と(笑)。エロの根本は全部寝取られなんですよ。AVを見ても、最近は全部頭の中で変換しないとオナニーできなくなったんです」

──単体の女優と男優のカラミの場合だと、たとえば?

「女優さんを自分の彼女と置き換えて、こんな男優と無理やりヤらされているっていうふうに変換しないと興奮できない。発射に至らないんですよ」

──(笑)。豊かなオナニーですよそれは。大人のオナニー。でも単体物の男優は小田切ジュンとか爽やか系のイケメンが多いですよね。

「小田切さんは人もいいしカッコいいから、そんな人に寝取られても面白くないから、頭の中で小田切さんをめっちゃ性格の悪い奴に仕立て上げるんですよ」

──ハハハ!

「この男は『どうしようもない女だけど穴があればいいや』と思ってヤッてるんだろうな、と想像して興奮するんですよ。男優さんが気持ち悪ければ気持ち悪いほど好きなんです。だから僕、男優さんの顔をいっさい気にせず映しちゃう。男優の顔を切るというのが(単体AVの)常識ですけど。映ってないとわかんなくて」

──「わかんない」というのは、ユーザーとして見るときに、男優の顔が映っていないと寝取られ状況を頭の中で完全に作れないということですね。

「そういうことです(笑)。もし、会社から好きな物だけ撮っていいよといわれたら、熟女と寝取られ物だけ撮っていたいですね」

──でも、今月のスカパー!アダルトで放送される麻宮まどか作品など、野本監督の単体物にも名作が多い。原紗央莉のデビュー作も撮られたし。

「単体物を撮るときは、どれだけ女の子を好きになってあげるか、そこを一番気をつけています。僕が一番このコを好きでいなくちゃいけないっていうことだけは、すごく心がけています」

──恋に近い感情?

「そうです。衣装も自分で買いにいかないと気が済まないし、髪を留めるヘアゴムですら、これをつけてあげたいって思った物を選びます。女の子のデビュー作の場合、一番気をつけているのは、お客さん(ユーザー)に、この子とどうやって一番初めに出会わせてあげようか、そこをすごく考える。ファーストカットをどうしようかを非常に考えます」

──デビュー作の第一印象って大事ですからね。

「あとは、SEXは基本、段取りをつけないし、途中でカットをかけないんです僕。生理が来ちゃったりとか、よほどのことがないと。自分がSEXする立場だったら、途中でカットをかけられたら集中できないですから」

──とにかくカメラを回しっぱなしにするんですね。

「だから、カットをかけないために2時間でも3時間でも段取り、準備をやります。どんなロケでも、最初にカメラを回すまで時間がすごくかかるんです僕」

──そうか、女優たちのいい表情はそれの賜物だ。男優陣にはどんな注文を?

「まず、ただのSEXをしないでくれといいます。とにかく女の子の目を開けさせろ、人間は相手の表情を無意識に読み取る動物だから、目をつぶっていたらただのSEXだから、とにかく表情の変化が見たい。そこしか興奮できないんですよ、僕」

──女の子の気持ちの揺らぎを見たいですよね。

「グッと見つめたら、向こうも顔を見てくれるから、と。あと、一個一個の行為を連続でするな、間合いを開けろっていうんです。キスしたあとに唇が離れて見つめ合う瞬間、すぐにまたキスしても表情が出ないだろと。ファーストキスしたとき、おっぱいを初めて見られたとき、どんな感情が頭の中に湧いたのか、そこをお客さんにわからせたいからいちいち間合いを開けろっていってます」

──なるほど、その演出は合点がいきます! これは面白いと思ったけれどコケたという作品はありますか?

「1人の女の子を追いかける願望が強すぎて、家出した女の子の三部作を撮ったんです。もう引退しちゃったコですが『黒木美咲 AV DEBUT』から始まる三部作。一週間ぐらい会社を出たくて、『君の実家に帰ろう』って一緒に仙台まで歩いたドキュメントです。あれだけしんどくて一生懸命膨大な量の素材を撮ったのに」

──思ったより数字が出なかったんですね。

「ていうか、まったく売れなかった(笑)。いいドキュメンタリーなので、ぜひ見ていただきたいです!」

──わかりました。 野本さんが描いていた監督業の目標が100としたら、今はどれくらい満たされました?

「50くらいですね」

──残りの50を最後に教えてください。

「たとえば、憧れる監督はカンパニー松尾さんだったりします。女の子をちゃんと自分が撮りたいように追っかけられている。ウチの社員監督ではちょっとできないことです。あとは溜池ゴローさんみたいに、好きな熟女をじっくり撮りたい。たまに熟女を撮っても、あそこまで女優さんに肩入れできる時間はないですからね。あとは、自分専属の女優さんを作りたい」

──自分の彼女のような?

「僕と性癖の合う彼女のような存在の女優と組んで、その人のAV人生を決めて、全作品を撮りたいですね」

──さっきおっしゃった、1人の女の子を追いかける願望が強いというのもあるんですね。

「ですね。そうやって現在のAVの作り方の根本を変えたらどういうものができるのかを見てみたいです」

──どういうパートナーが理想なのでしょう?

「ギャップが大きい人がいいですね。ふだんは真面目に主婦をやっていたり、仕事ができるOLだったりして、エロい妄想で頭がパンパンになっている人。そういう人と妄想を一緒に形にしていけたらたぶん面白いだろうなって思うんですよ」

──それは最高にエロい人妻物、寝取られ物が完成しそう。 どうも、このたびは楽しいお話、ありがとうございました!


Profile
野本義明(のもとよしあき)
1981年生まれ。浪人時代にAV監督を志し、大学卒業後はSODクリエイトに入社。初監督作品『ガチンコ素●企画!! トイレのエロ落書きに電話したらエロい女とSEXできるのか?! トイレの落書き大冒険』で圧倒的なリアリティ映像をものにし、業界の注目を浴びる。現在は同社取締役として後進の育成にも力を注いでいる。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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