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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第12回 タートル今田(後編)
「『カン松のニセモノ』はつらかった」
監督

──今田監督が出てきたころ、AV専門誌の批評で「カンパニー松尾のフォロワー」とさんざん書かれていましたよね。ま、僕もちょっとだけ書いたのですが。

「カンパニー松尾のパクリだとかニセモノだとか、いじめられていました(笑)」

──女性へのアプローチもSEXも違うけど、スタイルは似ていますからね。

「カメラや照明とかの機材は同じだし、初め参考にしたのは松尾さんのAVだから似るのは当たり前なんです。でも、そこをずっといわれるのはつらかった。似てる、で評論が終わっていて、内容を書いてくれないから」

──たとえば松尾さんは巨乳が好きですよね、今田さんは視覚的にはどこが好きですか。

「どっちかというと胸じゃなくてお尻ですね。単純に見た目が好きです」

──松尾作品を見て参考になったこと、感心したことなどは?

「松尾さんは自分の型があるのが強みだなと今も思っています。どんな女性が来ても最後は自分のスタイルに押し込められるじゃないですか。僕は相手に合わせちゃいます。どっちがテンションあがるのかと考えて、相手が攻めたいのなら攻めさせる、攻められたそうだったらこっちが攻める」

──そうできることも今田監督の強みといえますよね。

「でもね、意識しなくても僕は女の子にだいぶ左右されちゃう。松尾さんは一般女性が相手でもメーカー専属のトップ女優が相手でも、自分のスタイルに持っていけるので、最近あらためてすげぇなーって思っているんですよ。松尾さんは、ちょっとおっぱいが大きくてくびれていたら大丈夫ってメンタルがあるけど、僕にはないですから」

──自分はこれのフェチだからオッケー、というアイテムはない?

「ないんですよ。お尻は好きだけど、『痛い』といわれると、いじくり回してもテンション上がらない(笑)。やっぱり前提として、相手の女性に楽しんでもらってないと僕も楽しめないから。松尾さんのような何か『型』を自分で見つけなきゃなと思ったけど、なかなか見つからないんですよね」

──各メーカーのプロデューサーから褒められたり指摘される部分を具体的に聞きたいです。

「楽しんでやってますねってよくいわれます。楽しもうとしてるからね、楽しくないと嫌だし、楽しんでいるように見られるのは嬉しい。あと、すごくキスを撮りますねっていわれます。キス好きなんですよ」

──そういわれて思い出してみると、今田作品はキスが多いですね! キスは重要?

「重要です。面接のときも必ず『キスは好きですか?』って聞く。『嫌いです』っていわれると超テンション下がります(笑)」

──そういう女性が相手の場合は、現場でどう盛り返すんですか?

「キス嫌いっていわれたらしない(笑)。合わせます。相手のテンションが上がることをして」

──それをやれるから、トップ単体女優との仕事も来るんでしょうね。

「でも、メーカーによってはインタビューはしなくていいっていわれるんですよ」

──わかります。人気単体ものはカラミが5回、どのチャプターから見てもヌケるようにっていうね。

「インタビューなしに撮れといわれるとつらいですよね。僕の場合、前戯的なものだから、心のもっていき方が大変なんですよね。そういうものとして撮れるようになっちゃったけど……」

──ドキュメンタリー調の作品でも、会話なんていいから人妻設定の女優と温泉いってカラミを撮ればいいんだよ、という職人監督の作品も多いですよね。

「やれっていわれたらやりますけど、やっててつまんなくなっちゃうと思うんですよね」

──うん。そういう「職人」ではないドキュメンタリー監督の今田さんに、このへんを確認したかったんです。今田流インタビューシーンのこだわりをもう少しうかがいたいです。

「ほかの監督さんはそのままインタビューを流すけど、僕は編集で組み換えたりするんです。話の起承転結を。松尾さんはそのまま流して、イメージショットを挿入して飽きさせないように工夫しているけど、僕は話そのものを見て聞いてほしいからインサートは入れないんです」

──なるほど。会話を再構成。雑誌のインタビュー記事的な。

「そうそう。よっぽど話が面白ければいいけど、僕が撮るのは普通の女性が多いから、普通の人との普通の会話をどう飽きずに見てもらうかを工夫するんです」

──そうかそうか、納得しました! そんな今田さんは私生活の恋愛、SEXは?

「彼女もいますし恋愛してSEXしていますよ。僕はつらくないけど、相手はつらいですよね。最初のころは『明日現場だよ』っていえなかった。けど、『実は知りたかった、本当のことをちゃんといって欲しかったって』ってあとでいわれました。撮影の前の日はSEXしないし、撮影に支障をきたさないように早く寝なきゃっていうふうになるし」

──職業AV男優はそういう面ではプロだから、撮影の前日でもSEXしますよね。

「風俗にもいったりね(笑)」

──ハマジムの環境はいいですか?

「うん、ここで自由に撮らせてもらっている結果、外注でいろんな仕事もいただけるんですからね。ハマジムがつぶれたらAV監督自体さっさとやめちゃうと思う」

──最後に、今月スカパー!アダルトでタートル今田作品『今日、あなたの妻が浮気します。 まい』がオンエアされます。ひとことお願いします。

「主演の野村まいさんはエロい人で最高でした。去年の2月にSODクリエイトからデビューして5~6本しか出ていないんです、家庭を優先しているから。AV出演は趣味で、ときどきの楽しみという人だから、いざ撮影となるとエロいんですよね」
──そういう女優は貴重ですよね、今。

「そうなんです。でも、この作品のなかの会話自体には深い話はないです(笑)。まいさんは、言葉の人じゃなくて肉体の人なので。自由なスタンスでやっててスケベな女性で、大好きになりました。自分でも好きな作品なのでぜひ見てください」

──撮っていて好きになっちゃう女性は多いですか?

「撮影してハメ撮りする相手はほぼみんな好きになっちゃうんですよ」

──なるほど、ありがとうございました。2015年も大いに注目しています!


Profile
タートル今田(たーとるいまだ)
1976年東京都生まれ。大卒後、トラック運転手や自動車工場勤務を経て日本映画学校(現・日本映画大学)に入学。ドキュメンタリー映画『熊笹の遺言』の監督として注目される。ハマジム入社後は、独特のスローペースな語り口を活かしたハメ撮り作品で人気を博している。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報
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