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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第8回 豊田薫(後編)
「一期一会の撮影が楽しい」
監督

──村西とおる監督の誘いを受ける形で、1991年にダイヤモンド映像に電撃移籍。村西さんは「ヴィーナス」レーベルを豊田監督に任せました。バブル景気の最後の頃ですね。芳友舎で撮っていたときとは作品づくりの環境が一変したわけですよね。

「昨日スカウトされたばかりのコを連れてきて、来週撮影してくださいっていわれてもドラマ作品なんかできない。そのまま撮るしかないんだよ。でも、そこでめざめたの。今までの作風を変えて、女の子のリアルな素顔とSEXに迫るっていうスタイルに」

──ドキュメントへの開眼があったんですね。そして翌年、ダイヤモンド映像が倒産して、いよいよフリーになりました。

「いろんなメーカーで人気女優を撮らせてもらったよね」

──でも監督は「無修正を撮りたい」と早くから思っていたんですよね?

「うん。転機になったのが、V&Rプランニングで撮ったヘアビデオ『MARY JANE』だよね」

──河合メリージェーン主演の、ビデ倫を通さない自主規制作品でした。

「裏ビデオを撮ろうかとも考えたんだけど、やっぱり法的にまずいなと思うよね。で、その頃ダイヤモンド映像のスポンサーだった人と親しくなって、俺が現状を話して『自主規制イケますよ。メーカー作りましょう』という話になって、『リア王』(KING OF REALISM)を立ち上げたの」

──1996年に始まった、リア王の旗揚げの「女子肛交生アナルラブ」シリーズにまたまたAV誌の関係者は度肝を抜かれました。

「どれも売れたんだよね」

──TOHJIRO監督もビデ倫物(=レンタル系)をやめてセル系のメーカーに転じた時代です。でも自主規制って基準が曖昧ですよね。

「いざとなったら自分で責任を取ればいいんだっていう腹はずっとあった。芳友舎でも『奥までのぞいて』を撮っていて、「奥まで」って言葉が好きだったんでリア王で『奥まで見せろ!』を始めて、尿道からオシッコが出てくるところのドアップをノーモザイクで撮ったりとかね」

──陰唇を見せないドアップだったら、これは内臓だからセーフだということ?

「うん、見せてもいいでしょ? との判断」

──「リア王」作品では、ヘアはもちろんのこと、肛門にモザイクが乗らなくなったのがまず画期的でした。

「アナルはね、アナルSEXさえしなけりゃ性器じゃないとの俺なりの解釈があったからモザイクかけなかったけど、そのうち応用範囲が広がってスカ●ロ作品をやり出したんだよね」

──今のAVは、メーカーの自主規制で、肛門に指が触れると性器と見なしてモザイクを乗せますよね。

「リア王はノーモザイクだった。俺からすれば基準はいい加減だなと思うんだよ。指が触れようとアナルに変わんないわけじゃん?」

──現状のアナル物は、指で触れたらモザイクが乗るのに、ウ●コするシーンについては生理現象だからノーモザイクです。

「ほんと曖昧。基準をはっきり明文化してほしいよね。2005年に『オペラ』を立ち上げてアナル作品を撮り始めたとき、最初はリア王と同じ基準だったのね。でも業界内に審査団体が現れて、一時期は厳しくなった。オペラのスカ物はウ●コをするときもモザイクがかかる時期があったんだよね」

──そうか。AVのモザイクの歴史はアナルが語ってくれてるわけですね(笑)。ところで、監督は異常にスカ●ロにこだわっていますけども、プライベートでもお好きなんですか?

「ウ●コに関しては昔からいってるんだけど、俺は全然マニアじゃないの。スカをオカズにしてオナニーしたことないしさ。じゃあなんでそんな作品ばかりを撮ってるかというと、面白いからなんだよね。その女の子にとって他人の目の前でウ●コするなんて人生で1回きりかもしれないじゃん? ましてやウ●コを体に塗りたくったり口に入れてモゴモゴやったり、それを俺の現場でやってくれるっていう、何ていったらいいかな、達成感?」

──あー、わかります。一期一会ですもんね。

「そう。一期一会って俺も今いいたかった。ほとんどの女の子と、面接と撮影で2回しか会わないじゃない。短期決戦だ。どこまで面白いことできるか。それがウ●コだった」

──明快すぎます(笑)。あと、シーメール(ニューハーフ)作品も多く手がけてますよね。これは何がきっかけで?

「撮るようになったのは時流から。シーメールが今いいみたいだよっていわれて撮ってみたら売れたし、シーメールって人間的に面白いんだよ。いろんなものを背負ってるわけだ。体は男でも心は女なわけで、ハタチ前後のコが俺なんかより何倍も大変な生き方をしてるんだよね」

──ダイヤモンド映像時代に発見した人間ドキュメントを撮る楽しさが蘇っている感じですか?

「そう。俺、いろんな仕事やって1~2年で辞めてきたけど、この仕事は辞めようと思ったことがないもん。楽しいんだよね。やっぱ俺にとって天職だったのかな」

──監督にとって一番エロいシチュエーションとは?

「フェラチオなんだよね、究極は。特に抜けるのは男目線の主観のフェラだよね。芳友舎時代の『口全ワイセツ』にもつながるけど、唇ってすごい猥褻なんだよ。たとえばチ●ポとオマ●コでヤッたあと、オマ●コはパンツ穿いて隠すじゃん? でも唇は外に出してるじゃん? 卑猥だなって思うんだよ」

──街に出れば、女性はみんな唇を露出して歩いていますよね。

「昔、つき合ってるコとホテルでエッチして、当然たっぷりフェラチオをしてもらう。で、終わったあと電車に乗るよね。つい女の子の顔見ちゃうもん。『この唇が俺のチ●ポ舐めてたんだよね』って」

──うひひ。

「電車に同じようなアベックがいるよね。『彼氏のチ●ポしゃぶってたものを今ここに平気で見せてる』って俺は思っちゃう」

──性器が衆人環視になっているという状態に興奮するわけだ!

「ハメ撮りなんかにはほんと興味ないから。オマ●コそのものは好きだけどね。そう、そのコのオマ●コを見られるっていうのもこの仕事の楽しさだよね。みんな縦割れで、横割れなんて観たことないけどさ」

──人はいろいろですね。カンパニー松尾監督は逆にカメラ持たないと勃起しないといってますもんね。

「うん、『病気だよそれ』って松ちゃんにいってるから俺」

──(笑)。向こうからしたら豊田監督のほうが……ま、いっか。今月、監督の2012年作品「ドキュメント 松本まりな」(HMJM)がスカパー!アダルトで放送されるんです。ひとことお願いします。

「まりなの引退作が、俺の撮った『口全ワイセツ』シリーズだったのね。熟女になって20年ぶりに復活したから俺に撮ってくれってオファーが来たとき、だったら昔の『口全ワイセツ』の映像を使おうと。若き日の加藤鷹とまりなが見つめ合うツーショットをTVに流して、カメラがTVからバックしていくと現在の加藤鷹とまりながいるっていう絵を考えたの。それが撮れただけでもうこの作品はオッケーって思ったね。まりながエロく熟した性反応を見せる1本なので、ぜひ抜いていただきたいです」

──ありがとうございました。監督が現在撮っているレーベル「スカ専」の今後にも注目します!


Profile
豊田薫(とよだかおる)
1952年埼玉県生まれ。25歳のとき自販機エロ本出版社に就職。その後、KUKI、芳友舎(現h.m.p)、ダイヤモンド映像で監督を務めたのち、フリーランスに。1996年、ビデ倫にとらわれない自主規制作品の先駆けとして「リア王」を設立。現在は新レーベル「スカ専」を立ち上げ、過激なマニア性にこだわった異能のAV監督としてその名を業界に轟かせている。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


放送情報

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