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連載コラム

天才鬼才インタビュー
カントクたちがAVを撮る理由

第3回 TOHJIRO(前編)
「森下くるみに本物の『うぶ』を見た」
TOHJIRO
1986年に伊藤智生の名義で監督した映画『ゴンドラ』で、各方面から高い評価を受けた男は、やがてTOHJIROと名乗りAV業界に現れ、異端児そして風雲児となり今日にいたる。

──映画『ゴンドラ』を1本発表したのち、V&Rプランニングから1989年に『ブルーフィルム』でAV監督デビュー。どういう経緯でそうなったのでしょう?

「『ゴンドラ』に配給会社がつかなかったので、全国を巡って上映するにあたって大学の映画研究会の学生が協力してくれたんです。そのうちの1人がV&Rプランニングでバイトをやっていて、社長の安達かおる監督に僕のことを話した。そうしたら、安達監督は僕に会いたい、といってくださって、それで1本AVを撮ることになった。それまでAVに興味はなく、見たこともなかったんだけど、自分なりのエロを表現してみようと思ったんです」

──そこから、あれよあれよと、旧レンタル系AVメーカーの売れっ子監督になるわけですけども、AVでの監督業が肌に合ったということですか?

「『ゴンドラ』の次の映画の準備に入っていたから、2本目のAVを撮るつもりはなかったんです。でも、僕のオリジナル脚本を直せとスポンサーがいってきたり、いろいろあったもんですから、結局『うるせーバカヤロー』と、机を引っくり返してやめました。それで、他人のお金で映画はやるまいと決めて、とりあえずAVを続けたんです。誰も何も口出しせず、好きなことをやらせてくれたので」

──映画を作るようなスタンスでAVを撮り始めたわけですね。使う女優は売れっ子で、美術の作り込みも丁寧でスタイリッシュ。そりゃあ人気監督になるわけですよね。

「細部まで凝っちゃうから、新作を出すたびに、毎回100万200万の赤字はザラだったけどね(苦笑)」

──1995年に高橋がなり社長がソスト・オン・デマンドを設立し、時代はレンタルからセルビデオに移り、1997年には、TOHJIRO監督の「セルへ移籍!」がAV専門誌を賑わせました。

「がなりさんが、いろいろリサーチして、レンタル界の4番バッターとして僕に声をかけてくれた。それで森下くるみと出会うわけですね」

──彼女は、セルメーカー初の専属女優としてTOHJIRO監督の『うぶ』でデビューする伝説的な存在ですが、森下くるみという素材に出会ったとき、監督はどう感じましたか?

「彼女は稀有。18歳の精神年齢じゃなくて、中身は子供だった。経験人数は1人で、SEXしたのは初体験の1回きりで、クリトリスがどこにあるかも知らなかったし、オナニーも知らない。最初のカラミを撮ったあとなんて、カメラマンが『AVにならないよ監督、カメラが寄ったら顔を反対に向けて逃げるし、ウンともスンとも声を出さない』と慌てるくらいですから」

──女優がひたすらマグロを通すAVをリリースするのは、作り手としては勇気が要るのでは?

「いや、僕はカメラマンに、『それでいい。俺の撮りたいのはこれだ。本当のうぶってああいうことじゃん?』といったんです」

──作りものではない、ガチの「うぶ」のエロさを撮ったということですね。森下くるみ以降も、監督はロリ系の女優を起用して数々の名作をものにしてきました。「女優のうぶな姿」を撮ることに監督の強いこだわりを感じますが、作品中で、監督が本当に表現したいエロは撮りきれたのでしょうか。

「僕が本当に撮りたいのは本物の幼い女の子だから、AVという枠の中では、不可能なの(笑)。何をしたいかというと、例えば、パフェを食べているところをじっと見ていたい。おんぶしてあげたり、手をつないであげたり。『シベールの日曜日』ですよ」

──おじさんと少女の交流だ。『都会のアリス』とか。

「そう。『レオン』とかね。決してマ●コ舐めたいなんて思わない。むしろ、少女に害を加えるようなそういう外敵から守ってあげたいわけ」

──監督は2001年4月に、AVメーカーとしてドグマを設立したわけですが、さっきおっしゃった、自分のお金で映画を作る、その資金捻出も目的だったんですよね。

「うん。自転車操業の制作会社では未来はない、メーカーとして頑張ろうと思った」

──最初にヒットしたのが、「性欲シリーズ」ですね。

「制服とブルマ体操着でハメ撮りする『青い性欲』。ぶっかけの『白い性欲』。そして、アブノーマルプレイの『赤い性欲』。爆発的にヒットしました」

──たしかに、すごい人気でした。「性欲シリーズ」には、森下くるみに始まり、有名どころの人気ロリ系女優がほとんど出演していましたよね。

「2002年3月には、くるみちゃんがドグマに移籍してきて、『アブドラマ』という歪んだ性癖のドラマ物も始めました。くるみちゃんの単体作品、長瀬愛との共演作品、笠木忍との共演作品の3本。制作費をすごく使って作りましたが、どれもめっちゃ売れたんです」

──シナリオも映像もクオリティ高かったですからね。あと、『拘束椅子トランス』も人気ありましたよね。今でこそ女の子を椅子に拘束して攻めるあの形は一般的ですが、最初にやったのは監督ですよね?

「そうです」

──あの発想はどこから?

「レンタルビデオの全盛時代、AVから芸能界へのステップアップを考えている子がたくさんいたんですが、『本当にイッて潮を吹いたらもう芸能人にはなれない』なんて勘違いしているコがけっこういたんですよ。

──自分は女優なんだから、イクのも感じるのも、演技でなければいけない、という意識ですね。

「そう。イッてるフリならいいって。でも、僕が撮りたいのは、演技のエロじゃないんです。なのに、僕の作品でレギュラー男優をお願いしていた加藤鷹さんが攻めようとしても、脚を閉じて逃げまくり、鷹さんも結局イかせられない。そういう場面を何度も見てイライラしていて、何かよいやり方はないかなと思っていたときに、ラーメン食べた帰りに六本木を歩いていたら、ゴミ置き場にリクライニングシートが捨ててあったの。『おお! これだ!』と思って、鉄工所に持っていって脚を付けて組み立ててもらったのが拘束椅子の第1号です」

──あれは拾ってきたものだったんですか!

「うん。これなら逃げられない! って。あと、電マをAVで使い始めたのは僕が最初なの」

──拘束椅子に続く、化学反応ですね。

「『拘束椅子~』を始めたとき、おふくろが肩凝り用に買った健康器具の電マが家にあって、見た瞬間に、『コレだ!』と(笑)。もうおふくろは使ってないというので借りてきて、鷹さんに『これを使おうよ』と渡したのが最初」

──AV界の革命は、そんなところから始まったんですか(笑)。

「でも、今の電マはクリトリス用に優しくなっていますが、当時の電マは、本当に肩のマッサージ用だから強烈なんだよね。すぐに女の子は失禁しちゃう」

──女優の本気を引き出すために、監督が工夫を凝らしてきたのがよくわかるエピソードですね。そんな監督が、撮影していて、一番興奮するのはどういった部分ですか?

「一番は羞恥心でしょうね。鷹さんがイラマチオで攻めて、女の子がゲロを吐くじゃないですか。僕はゲロそのものではなく、口からあふれるゲロを両手で抑えて恥ずかしがっている姿に興奮するんです。あと、泣き顔フェチですね。それも大人の泣き方じゃなく、子供みたいにウェッウェッて」

──えづいているようなね。本気でイッて感極まった女の子はあの泣き方になっちゃいますよね。

「うん。男優にすべてを赤裸々にさらして甘えてSEXして、イクと、子供に返るんですよ」

──熟女女優の友田真希でさえ、そうでした。

「人気のお母さん役女優だったのが、僕の現場で本気でSMにのめり込んでくれたからね」


Profile
TOHJIRO(とうじろう)
1956年東京都生まれ。小学生時代から映画業界を志し、1986年4月、初監督作品『ゴンドラ』完成。1989年、V&RプラニングでAV作品「ブルーフィルム」を初監督。1997年、ソフト・オン・デマンドへ移り、森下くるみとのタッグで業界を席巻。2001年、AVメーカー「ドグマ」を設立し、同社総帥として現在に至る。代表作に『青い性欲』『白い性欲』『赤い性欲』『うしろから、ギュッと』『拘束椅子トランス』ほか。


文・沢木毅彦
さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。
twitter:@berugiisan


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